20年目の挑戦はエレクトリック昭和歌謡
――本作のサウンドは、エレクトリックながら、前2作とはひと味違う、ニューウェイブや歌謡曲のテイストが色濃いものとなっていますね。
卓球「今回は、歌モノの多いアルバムにしたかったんですよ。その方が華やかというか、20周年記念でインストのアルバムというのも、違うかなって感じだったので。それに、前作まではベースラインとリズム主体のダンス・ミュージックがほとんどだったけど、今回の収録曲には、いわゆる普通の曲のように、コードやメロディーからつくっていったものが多いんですよ。普段やり慣れていない方法で制作するのは、面白かったですね」
――なるほど。本作の中で、新たな挑戦を試みた曲はありますか?
卓球「「エンジのソファー」ですね。寺尾聰の「ルビーの指輪」みたいな、“ザ・ベストテン”に登場していたような昭和のニュー・ミュージックや歌謡曲を、うろ覚えでつくってみた曲です。で、ザ・ベストテン”で寺尾聰が10週連続ナンバー1を取ったときに、それを記念して寺尾聰専用のエンジ色のソファーが用意されたんですけど、タイトルはそこから取りました。最初は「TOBYの浮き輪」って仮タイトルだったけど(笑)」
瀧「あと、印象深い曲という点では、「ピエール瀧の体操42歳」ですね」
卓球「この曲には機関車の走る音を入れたくて、いろいろと探してみたんだけど、結局口で再現したのが一番リアルでしたね(笑)」
――初回限定盤のDVDには、その映像も収録されますが、今回はどんな内容になっていますか?
瀧「“体操シリーズ”に対して“どんな?”って聞かれると、非常に説明が難しいですね(笑)。いろんな所でいろんな格好してふざけてますよ。僕が写っていない、映像のカラオケ・バージョンもあるので、それに合わせてみなさんも踊っていただければと思います」
――最後に、『20』完成後、全曲を通して聴いたときの感想を教えてください。
卓球「アルバムの本編は、気軽に聴けるというか、軽くていいなという印象でしたね。あと、初回盤はおまけがてんこ盛りで、DVDは最初から最後まで通して観るとかなり充実感があると思いますよ」
瀧「アルバムって全部通して聴くことで、何か見えてくるものがあるんだけど、『20』は最高でしたね。下らないな〜このアルバムって感じでしたよ(笑)」
卓球「マスタリングが終わった後に、瀧から“今通して聴いてみたけど、名盤”ってメールが来ましたね(笑)」
瀧「でもそれは、リスナーのみなさんにとっての名盤じゃなくて、自分たちにとっての名盤なんですよ。賄いの中で一番ウマいメシみたいなもんですね(笑)」
卓球「ホント、そんな感じですよ(笑)。賄いで味をしめちゃったんで、今後の作品にも確実に影響が出るでしょうね。次のオリジナル・アルバムは当分先になるだろうけど、この『20』が番外編で、また元に戻るって感じではないと思いますよ」


