'05年に活動をスタートした、南アフリカ出身の4ピース・バンド、デズモンド・アンド・ザ・チュチュス。ヨハネスブルグ近郊で地道なライブ活動を行っていた彼らは、'08年に、ジョアキム率いる、フランスの個性派レーベル、Tigersushiにピックアップされ、12インチ・シングル「Kiss You On The Cheek」でデビュー、早耳インディーロック・ファンの間で話題を集めている。
ここにご紹介する『TUCK SHOP』は、そんなデズモンド・アンド・ザ・チュチュスのファースト・アルバム。'08年に、輸入盤がごくわずかに流通しただけで、即完売となった希少な本作が、このたび日本盤としてリリースされることとなった。アフロ・ビートやクウェラ(※ジャズ、スウィングの影響を受けた、南アフリカ発祥の音楽)、ロックなどの要素が、トロピカルなポップ・サウンドへ紡ぎ上げられたこのアルバム。疾走感あふれるダンサブルなグルーヴを展開している。
「僕らはいつも、どれぐらいのお客さんが踊ってくれたかで、そのライブが良かったかどうかを決めるんだ。だからこのアルバムでも、“ダンス”を最も大事にした。『TUCK SHOP』には、'06年から'08年に、僕らが南アフリカのライブでやってきた、踊れる楽曲が詰まっているよ」
本作では、すでにコア・リスナーから人気となっているシングル曲、「Kiss You On The Cheek」、「Peter」も楽しめる。底抜けに明るい、キャッチーなメロディーが印象的なこの2曲について、彼らはこう話す。
「「Kiss You On The Cheek」は、アフロ・ビートやハーモニカの音をベースにして、どんどんコーラスや歌詞を思いつくままに足していった楽曲さ。僕らのバンドを一番象徴する曲だと思うよ。「Peter」は、歌詞が先に生まれた曲なんだ。その歌詞にぴったりなメロディーが後から簡単に出てきて、それを組み立てるだけだったから、こんなにクールな楽曲になったのさ」
『TUCK SHOP』の日本盤には、80kidz、Cubismo Grafico、Soccerboyと、東京のクラブ・シーンで活躍する気鋭クリエイターが手がけた、リミックスも3曲収録されている。こちらは、フロア仕様のエレクトロニックなアレンジとなっており、デズモンド・アンド・ザ・チュチュスの魅力を、異なる角度から堪能できる。
ディプロにその才能を見出された、同郷のニューカマー・バンド、ブラック・ジャックスと並び、南アフリカならではのオリジナリティーを持つホープと目されている、デズモンド・アンド・ザ・チュチュス。彼らの動向からは、今後も目が離せない。
interview & text EMIKO URUSHIBATA
translation SACHIKO NISHIMURA


