'05年に『High Fidelity』でメジャー・デビューして以来、ダンサブルな楽曲群と卓越したライブ・パフォーマンスで人気を獲得してきたDOPING PANDA。オリジナリティー豊かな音楽性を追求している、実力派ロック・バンドだ。今年6月には、『Dopamaniacs』('08)に続く最新アルバム『decadance』を発表。現在は全国ツアーを行なっている最中だ。
そんな彼らが、5曲入りの最新ミニ・アルバム『anthem』をリリースする。ツアーの空き日程を利用してセルフ・スタジオを新設し、急遽レコーディングを行い制作したという注目作だ。その内容は、タイトル曲「anthem」を筆頭に、従来作とは異なるサウンド・プロダクションが聴ける斬新なものとなっている。
制作作業の全てを自分達で行ったことで、新たな道を切り開くことができたという『anthem』。本作の内容について、リーダーのYutaka Furukawaに話を聞いた。
――現在全国ツアー中ですが、アルバム『decadance』収録曲へのリアクションはいかがですか?
「今回は、DOPING PANDAにしては珍しく何枚かシングルを先に切っていたんで、やっぱりそういった曲の認知度が高かったですね。でも、実は、自分達のスタジオをつくるという話が持ち上がってからは、アタマの中はそっちのことばっかりでした(笑)。8月に海外ツアーをやる予定だったんですけど、それがとんじゃったんで、その時間を利用してスタジオをつくることにしたんですよ」
――なるほど。では、このミニ・アルバム『anthem』は、その新しいスタジオでレコーディングした初の作品なんですね?
「そうなんですよ。この作品とは、つまりそういうものなんです。ミックスも僕がやりました。本当は、こんなに早く曲を出す予定じゃかったんですけど、ツアーが11月まで続くと、『decadance』をリリースした温度感も下がってきちゃうから、もう一枚出しておきたかったし、空いた8月の1ヶ月間で何かをつくるって決めないと、何も動き出さなかったんでね。とにかく、その新しい環境を生かして、衝動的に何かをしたかったんですよ」
――ちなみに、どんなスタジオなんですか?
「いわゆるホーム・スタジオに近い感じですね。でも、みんなで好きなように使えるんで、制作していて充実感もありましたし、今までで一番納得できた作品になりましたね。もちろん、時間があればもっとできたことがあったんで、まだまだの内容ですよ。でも、我慢してないし、自分の耳だけを頼りに音楽をつくれたんで、幸せでした」
――では、そんな『anthem』の内容についてですが、明らかにトータルの音像感が変わったという印象を受けました。サウンド面では、どんな部分を意識したんですか?
「何はともあれ、和音、旋律、リズムを消化した、こういう立体的なサウンドをつくってみたかったんですよ。どうも日本の音楽は、音圧と歌されあればいいという感じで、平面的なんじゃないかと思っていたんですよね。一つ一つの音質も何も関係ない感じで、サビになると何も聴こえなくなるんで、そこに違和感があったんです。でも、誰もそのことに対して声をあげないんで、どういうことなんだ?と。今回は、その部分を100%克服できたわけじゃないんですけど、少なくともその足がかりになるものをつくれたかなって思ってます」


