【DJ活動から得た新しいサウンド】
――本作における制作当初のアイディアとは、どのようなものでしたか? アルバムのコンセプトがありましたら、教えてください。
「今作のコンセプトみたいなものは、自分でよく考えたりしないうちに、自然と、あっという間にでき上がっていったものだったね。コラボレーション...特に、ドラマーのスティーヴ・リードと一緒にプレイした経験とか、DJプレイをしてきた経験から、僕はリズムの捉え方に強い刺激を受けた。だから、曲をアレンジする上で、そういった経験はとても強い影響源になったよ。新しい曲を手がけていた時、これまでとは曲の書き方が全然違うな、という自覚はあったね」
――DJの話が出ましたが、あなたはここ数年、ジェームス・ホールデンが運営するBorder Communityのクラブ・イベントや、<Plastic People>といったパーティーで、定期的にDJ活動を行なっていたそうですね。
「そうなんだ。DJをやった経験というのは、大きかったと思う。新曲をフロアで試すことができたからね。そういう曲づくりのやり方って、これまでのレコードでは一度もやったことがなかったんだ。クラブのサウンド・システムでよく聞こえる音楽になるよう、DJをする時は、いつも新曲をいろいろとテストしていったよ。リズムが正確かどうか、みんなダンスしているかどうかって部分も、すごく意識した。それは、僕にとって全く新しいコンセプトだったね」
――ちなみに、本作が誕生する鍵となったのは、どの楽曲だったんですか?
「2曲目の「Love Cry」かな。今作からのファースト・シングルになるんだけど、この曲は、僕がこのアルバム用につくったトラックの中でも、最も古い時期にできたものの一つだね。制作プロセスのスタートになったと思う。正にクラブでハマるような音楽って感じで、ボーカルも普段とは違ったものになって、すごく面白かった。曲ができた時、アルバムの方向性が決まったって感覚があったよ」
――では、そんな本作のタイトルを、“There Is Love In You(愛がキミにある)”とした理由について、教えてください。
「“音楽での祝福”、みたいなものを意識したんだ。曲のアイディア、ムード、背景を反映したものにしたのさ。クラブという暗い部屋の中で、すごく大きな音量で最高の音楽を聴いていると、本当にいろんな些細なことがどうでもいいように思えてきて、生きる意味とか、自分の中の愛を感じるような気がしてくる。そういった感覚を、アルバムを通じて発信したかったんだ」
――なるほど。いいタイトルですね。
「あと、これまでにリリースしてきたアルバムとはちょっと違う雰囲気のタイトルにしたい、って意図もあった。会話の中に“『ゼア・イズ・ラヴ・イン・ユー』を聴いた?”って言葉が入ったら、すごく素敵に思えるだろ(笑)。このアルバムには、すごくポジティブなメッセージが込められているんだよ」


