ジェイムス(ボーカル / MC)、ダン(ギター)、アリス(キーボード)、ニック(ドラム)、クリス(ベース)からなる、UKはリーズ出身の新世代バンド、ハドーケン!。グライムのプロデューサーとして活動していた、ジェイムスが中心となり結成された、近年のレイヴ・パンク・シーンを象徴する存在だ。'06年に、自主制作でシングル「ザット・ボーイ・ザット・ガール」を発表するやいなや、英NME誌やMySpaceにピックアップされ、新人としては異例のスピードで躍進を遂げた彼ら。正式デビューとなったEP『リキッド・ライヴス』と、ファースト・アルバム『ミュージック・フォー・アン・アクセラレイテッド・カルチャー』は、インディーロック・キッズやエレクトロ・ファンを中心に支持を獲得、スマッシュ・ヒットを記録した。ここ日本でもその人気ぶりは凄まじく、'07年、'08年と2年連続<サマーソニック>に出演する快挙を成し遂げている。
ハドーケン! が持つ最大の魅力は、その破壊的かつエネルギッシュなサウンドと、ロック、パンク、エレクトロ、レイヴ、メタル、グライムなど、あらゆるジャンルを飲み込んだ、ハイブリッドな音楽性にある。そのアティチュードはライブ・パフォーマンスにも色濃く表れており、彼らが多くのオーディエンスを熱狂させているのもうなずける。
そんなハドーケン! が、このたび約1年半ぶりとなるセカンド・アルバム、『フォー・ザ・マッシズ』を完成させた。'09年9月に発表した先行シングル、『マッド』に引き続き、オランダの気鋭ドラムンベース・ユニット、ノイジアをプロデューサーに迎えた本作。これまで以上にハードでヘヴィーな音色と、ダンサブルなビート、オーケストラルなサウンドを追求した意欲作だ。
新作『フォー・ザ・マッシズ』で、ネクスト・フェイズへと駆け上がったハドーケン!。本アルバムの制作背景を探るべく、iLOUDは、'09年9月に<WARRIOR'S DANCE FEST>出演のために来日していたハドーケン! をキャッチ。ボーカル兼リーダーのジェイムス、ギターのダンにインタビューを行った。
【巨大なフェスをイメージしたアルバム】
――まずは、新作『フォー・ザ・マッシズ』のアルバム・コンセプトを教えてください。
ジェイムス「前作『ミュージック・フォー・アン・アクセラレイテッド・カルチャー』に比べて、よりハードでダークなアルバムをつくりたかった。だから今回は、ポップさを薄めて、ダンス色の強いアルバムにしようと考えたよ。ライブというシチュエーションを、常に念頭において曲づくりしたね」
――『フォー・ザ・マッシズ(For The Masses)』というアルバム・タイトルには、マスメディアに対する皮肉や、アンチテーゼが込められているのでしょうか?
ジェイムス「そういう意味も若干含んではいるけど、多くのオーディエンスに向けてつくったアルバムだから、こういうタイトルにしたんだ。レイヴのような、巨大なダンスミュージック・フェスをイメージしたのさ」
ダン「ダンス・ミュージックは、大勢で楽しむものだからね。それがロックとは大きく違うところだと思うな」
――本作では、オランダのドラムンベース・ユニット、ノイジアが楽曲プロデューサーをつとめていますね。彼らを起用したのも、ダンス・ミュージック色を濃くしたいという意図があったからですか?
ジェイムス「そうだね。自分たちでつくったデモ曲を聴き直してみたら、ダンスっぽいものが多かったし、ライブで新曲を試しにプレイした時も、そういうスタイルの楽曲で特に盛り上がった。それで、新作はダンス・ミュージック寄りのスタイルにしたいと思い、ノイジアに声をかけたんだ」
――ノイジアとの共作からは、どんな刺激を受けましたか?
ジェイムス「ノイジアとの作業は、とても新鮮だった。音楽に対する考え方やアプローチが、僕らとは全然違うし、彼らはクラブのことをよく理解しているから、新しい視点で曲づくりができたよ。逆に、ハドーケン! はライブ活動が中心だから、ステージでどういう曲が栄えるかをわかっている。その二つの考え方を融合することで、こんなアルバムができ上がったのさ」
――「Lost」では、ハドーケン! としては珍しい、四つ打ちのトラックが展開されていたので驚きました。
ダン「ああいうタイプのダンス・ミュージックには、もともと興味を持っていたから、ハドーケン! の楽曲でも挑戦してみたいなと、漠然と考えていたんだ。そうしたら、ノイジアから“四つ打ちのビートにも挑戦してみようよ”ってアドバイスをもらってさ。実際トライしてみたらとても良い曲になったから、アルバムに収録したんだ」





