女優、シンガーとして独自の軌跡を残してきた、原田知世。近年は、高橋幸宏が牽引するバンド、pupaのボーカルとしても活発に動いているので、夏フェス会場などで彼女のライブを見たLOUD読者も多いことだろう。
そんな彼女が、約2年ぶりとなる最新アルバム『eyja』をリリースした。'07年の前作『music & me』に引き続き、作曲家の伊藤ゴローをプロデューサーに迎えた今作には、細野晴臣、大貫妙子、いしわたり淳治など日本のトップ・アーティストに加え、アイスランドを代表するポスト・ロック~フォークトロニカ・バンドのムーム、そしてあのビョークを手がけたヴァルゲイル・シグルドソンをゲストに招聘している。『eyja』は、日本とアイスランドの2ヶ国で制作を行った意欲作と言ってよいだろう。
オーガニックでアコースティックなものから緻密なエレクトロニカまで、様々なサウンドに乗せ、愛にあふれる日々をナチュラルに歌った『eyja』について、原田知世に話を聞いた。
——先日出演したタイコクラブでは、ムームと共演してオーディエンスを驚かせましたね。ニュー・アルバム『eyja』でも彼らとコラボレーションしていますが、どんな経緯で一緒に曲づくりをすることになったんですか?
「前作の『music & me』は、住宅街にあるハウススタジオでレコーディングしたのですが、それがすごく楽しかったので、そんな環境を今回のレコーディングにも取り入れたかったんです。ムームはアイスランドで、例えば灯台の中のようなユニークな場所でレコーディングをしているという話を聞いていたので、私もそんな、自由な発想で音楽をつくりたいと、プロデューサーの伊藤ゴローさんに話しました。ゴローさんも、アイスランドだったらヴァルゲイル・シグルドソンというアーティストのことが以前から気になっていたと言うので、ムームとヴァルゲイルにオファーをしたんです」
——アイスランドでもレコーディングをしたそうですが、いつ、どれくらいの期間行っていたんですか?
「6月の終わりから7月の中旬にかけての2週間ぐらいです。レコーディングとミュージック・ビデオ、ジャケット撮影をしてきました。アイスランドは、首都のレイキャビックから車を10分走らせたぐらいのところでも、美しい自然が手つかずのまま残っているんですよ。撮影中も、そこに佇んでいるだけで栄養をもらっている気がしましたね。癒されるというか、浄化される感じでした。だからついつい、仕事をし過ぎてしまいました(笑)。白夜でしたし」
——アルバム・タイトルの『eyja』は、アイスランド語で“島”という意味の言葉だそうですね。
「最初は英語のタイトルをなんとなくイメージしていたのですが、ある程度レコーディングが進んで、アイスランドに行って、向こうの大自然を見ているうちに、英語のタイトルはあわないと思うようになりました。覚えやすいアイスランド語で、文字の並びも美しくて、いろんな意味を持った言葉を探して行き着いたのが、『eyja』です。日本もアイスランドも島国ですし、eyjaをそのまま読むと、asiaに似ているなとも思って(笑)」


