——アイスランドでの製作で、何か思い出深いことはありましたか?
「「FINE」のミュージック・ビデオを撮影する時に、エキストラの人達が必要になったので、アイスランドで知り合った人達に友達を紹介してもらったり、スーパーで働いていたカワイイ男の子にも声をかけてみたり(笑)、出演のお願いをしたんです。当日は、約束した場所に全員が集まってくれて本当に嬉しかったです。ミュージック・ビデオでは、楽器を持ってみんなで行進するシーンを撮影したのですが、ヴァルゲイルやムームがかわいい楽器をたくさん貸してくれました。この旅で出会ったアイスランドの人達は皆とても優しくて親切な人ばかりでしたね。温かなアルバムができた理由は、そういうところにあるのかもしれません」
——収録曲はどれも朗らかで、優しく温かなサウンドになっていますよね。アルバムのサウンド・ディレクションも、原田さんの意見による部分が大きいのでしょうか?
「実際の細かい作業はゴローさんがやってくれたのですが、ひとつずつ相談しながら進めました。細野さんや、大貫さん、ゴローさんが書いた曲と、ムームやヴァルゲイルの曲が分離しないよう、日本でつくったものをベースに、アイスランドで録音してきた音をミックスしました。アイスランドで録った楽器や、おもちゃの太鼓の音、子供の話し声なども素材として日本に持ち帰り、いろんな曲にちりばめたりもしました。だからこのアルバムの音は、“どこの国の音”って言えないんですよね。アイスランドっぽいとも言い切れないし。そんなイメージかな」
——先ほど原田さんがおっしゃった、“自由な発想でつくる音楽”が、ここにも表れているわけですね。
「そうですね、それはあると思います」
——音楽に自由な感覚で触れたいとか、自由な音楽づくりをしたいという背景には、どんな思いがあるんですか?
「私はデビューが早く、はじめは女優として出演作の主題歌などを歌っていました。自分が望む以前に、決められたものを歌っていたというか。だからその頃の私には、楽しむ余裕などなかったですね。でも大人になるにつれ自然と自分の中で、女優とシンガーがそれぞれ独立したものになっていきました。女優は演じる面白さがありますが、音楽にはその時々の、そのままの自分を表現出来る面白さがあります。今は、ホーム・パーティーのような少人数の前で歌う時も、1万人を前に歌う時も、常に同じようにリラックスして歌えることが私の理想です。そのためにも一作ごとにいろんな経験を積みたいですね。ゴローさんは、私のそういう気持ちをよく理解してくれていて、今回のアルバムでは、私がいつ歌っても安定した気持ちで歌えるような曲を書いてくれました。昔は、歌って気合いを入れないと入り込めないものだったのに、今は気負いなく、家で口ずさんでいる時と同じ感じで歌えるものになりました。音楽がより身近なものになっているのだと思います」
——今作『eyja』は、どのように楽しんでもらいたいと思いますか?
「1枚を通して、どんどん景色が変わっていくようなアルバムなので、普段の生活の中でかけてもらえたら嬉しいです。家事をしながらとか、ドライブしながらとか。同時に、音に細かな遊びやエディットを加えているので、ヘッドフォンで聴くとまた違う楽しみ方もできますし、ぐっと曲の世界に入り込めると思います。『eyja』は、そんな両方の楽しみ方ができるアルバムだと思います」


