'08年にデビュー・アルバム『ザ・フェイム』をリリースするや(日本、UKでは今年リリース)、その過激なビジュアル&パフォーマンスと、エレクトロ・ポップ、R&B、ロックをミックスしたキャッチーなサウンドを武器に、一気にスターダムへと駆け上がったレディー・ガガ。ニューヨーク出身、現在23歳の彼女は、世界のポップ・ミュージック・シーンで、今年最も成功した一人と言って間違いない女性アーティストだ。シングル「ジャスト・ダンス」と「ポーカー・フェイス」は、共に全米/全英チャート1位を獲得し、『ザ・フェイム』は、現在までに約500万枚のセールスを記録。ここ日本でも、『ザ・フェイム』は25万枚のセールスを記録するヒット作になっている。
そんなレディー・ガガが、セカンド・アルバム『ザ・モンスター』(原題:The Fame Monster)を緊急リリースした。新曲8曲に、前作『ザ・フェイム』を同梱した2枚組の作品だ。彼女が持つ“陰”と“陽”の側面を表現するため、前作をそのまま収録することにしたという本作。“セックス”、“アルコール”、“愛”、“死”といった、彼女の内なる魔物=モンスターを題材にした新曲群は、シングル「バッド・ロマンス」を筆頭に、時にゴシックなテイストを感じさせる、妖艶な音世界を追求したものとなっている。もちろん作詞作曲を行なったのは、名門として名高いニューヨーク大学芸術学部(Tisch School of the Arts)に17歳で合格した経歴を持つ、彼女自身だ。
急速に進化を続けるレディー・ガガの、新たなる一面を堪能できる『ザ・モンスター』。ここでは、10月29日にニューヨークのマンダリン・オリエンタル・ホテルで行なわれたインタビューから、本作の内容と彼女の最新動向についてご紹介しよう。なお、彼女は、来年2010年の4月15日に神戸ワールド記念ホールで、4月18日に横浜アリーナで、初の本格的な来日公演を行なう予定となっている。
音楽と名声の狭間で
――デビュー作『ザ・フェイム』のセールスが500万枚に達し、あなたは2009年を象徴するスターと呼んで間違いない存在となりましたね。今、自分が置かれているポジションを、どのように捉えていますか?
「うーんと...そうね、私は自分のことをそんな風には('09年を象徴するスターだとは)思ってないの。でも、すごく恵まれていると思っているし、ありがたい気持ちで一杯よ。私を応援してくれるファンのことを、本当に大好きだから」
――デビューして以来、これまでで最もシュールな体験は何でしたか?
「これまでで最もシュールな体験と言えば、最近、首都ワシントンDCに行った時のことね。ゲイの人権平等を訴える集会(編注:10月11日に行なわれたNational Equality Marchのこと)で演説をしたの。若いゲイのコミュニティを代表して演説ができるなんて、すごく名誉なことだったわ」
――アーティストとしての成功を長年夢見てきたあなたが、最もハイレベルなスターダムというものを体験してみて、興味深く感じたこと、驚かされたこと、また落胆したことは何でしたか?
「ひとつ言えるのは、まだこれが私のピークだとは思っていない、ということね。アルバムを発売してからまだ一年しか経っていないわけだし。でも、そんな風に思ってくれてありがとう! それで、私は、特に落胆したことがないの。それに、私はできる限りスピリチュアルでいたいと思っているのよ。ネガティブな面を見ようとするのは、お粗末なだけだと思うから。私は、今、自分の人生を本当に幸せだと思っているし、いまだに家族と一緒にいられること、昔からの友達が私のために何から何まで、毎日毎日仕事してくれるこの環境があることを、すごく幸運だと思っている。そして何より、私の美しいファン、“リトル・モンスター”達が、私を本当に幸せにしてくれるし、やり続けるモチベーションを与えてくれる」
――特に驚かされたことなどは、なかったですか?
「もちろん、全てに驚いているわよ。これまでにどれだけのことが起きたのかと思うと、まったく信じられないわね。信じられないことばかりよ。でも、実は最も驚いたことと言えば、自分自身についてのことなのよ。有名であるとか、パパラッチだとか、タブロイドだとか、そういうこと全てはどうでもいいことで、自分が今、以前にも増してどれだけ音楽と真剣に向き合っているのか、ということに驚いているの。新作『ザ・モンスター』にしても、ある日目が覚めて、いきなり曲を書いてしまった、という感じだった。つくる計画なんて全くなかったのにね。自分の中から、オーガニックに生まれてきてしまったのよ。だから、それこそが最大の驚きだった、って言えると思う」
――人々は、毎日メディアを通してあなたを見て...。
「本当に?」
――ええ(笑)。
「アハハ(笑)」
――そこで伝えられるあなたの一挙一動に大騒ぎしていますが、その渦中にいるあなたは、全く動じることなく、クールな佇まいを維持しているかのように見えます。あなたの内面は、実際にクールなままなんでしょうか?
「精神的にすごく集中しているし、落ち着いたままだわ。私がブラックを着ているのは、私が内面で感じているのもブラックだからよ」
――今のあなたに、プライベートとパブリックの境界はありますか?
「うーん、そうね。私にはパブリック以外の場所に家族がいて、友達もいるけど、私はアーティストとして、プライベートもパブリックも両方仕事だと思っているわ。私の最もプライベートな瞬間というものは、実は私の音楽の中に存在しているし、私がステージに立っている時であるとすら思うから。だから、私を知るための全ては、私の音楽の中に存在する、と、心から思っているの」


