ーーLilliesとmetalmouseでは、ルーツも今やっている音楽スタイルも全く異なりますが、そんな二組が一緒に制作をしたことで、新たに発見したことはありましたか?
「僕だったら音を乗せない箇所に、metalmouseが音を乗っけてきたりすると、“あっ、正解はこっちか”って思ったり。彼と一緒にやってみて、音づくりで悩んでいた部分が解消されたり、鳴らしたかった音を形にする方法を知ったりと、発見がたくさんありましたね」
ーーまた、「tara part1 :the first realization」、「tara part2 :fear of the end」では、シンフォニックなオーケストラル・サウンドにも挑戦していますね。これもすごく印象的でした。
「オーケストレーションは以前からやりたいと思っていたんですが、僕らだけでは実現できなかった要素なんですよ。曲のイメージは元からあったので、自分なりのオーケストレーションをデモに入れて、それをmetalmouseに手直ししてもらった感じですね」
ーー続いて、歌詞についておたずねします。『MERU』では、インド宗教の世界観をテーマに、サンスクリット語のキーワードが多数引用されていますが、こういったイメージは、どこから生まれたのでしょうか?
「もともと、インド宗教の世界観やヨガの考え方に共感することが多かったので、昔から、自分なりにいろいろ調べていたんですよ。今作で最初にできた曲は「decline together」なんですが、これはインド宗教の“天人五衰”という話をもとに書いたものなんです。“天人五衰”には、人間が天人として天界へ行って、そこで死ぬ時の兆候が描かれているので、EPの最後を締めくくるのに、ふさわしいと思ったんですよね」
ーー「decline together」を元に、他の曲が生まれていったんですか?
「楽曲自体はバラバラにでき上がったんですけど、自分が描いた曲の雰囲気と、テーマが上手くリンクしたので、作品全体としてある程度流れができるようにしました。一曲一曲が完結するように、例えば、登場人物はそれぞれの曲で変えているんですけど、全体を通してつじつまが合うようにしたつもりです」
ーーインド宗教の世界観を通じて、今作では、リスナーにどんなメッセージを届けたかったのでしょうか?
「僕が尊敬している、中村天風っていうヨガ行者がいるんですけど、彼が言っていた、“人間一人一人がもっと、自分の力を最大限発揮しないといけない”という哲学に、感化された部分があって。僕もそういうメッセージを、音楽を通じて発したいと考えたんです。輪廻転生とか、いろいろ言ってますけど、“ふと立ち止まって、世界をもっとちゃんと見つめ直して、自分の力を発揮してくれよ”っていう思いを込めました」
ーーそういったメッセージや世界観には、Lillies独自の感性が表れていますね。今後は、どんな音楽活動を展開していきたいですか?
「音楽の本質的な良さを、リスナーにわかってもらいたいですね。僕たちが本気で音楽をやっていることも知ってもらいたいし、日本ナイズされすぎた音楽に惑わされないで、みんなが良い音楽を聴ける環境にするのが、眼前の目標です」


