――トーマス・アンダーソン「Washing Up (Shinichi Osawa Re-constract)」は、この中では唯一テッキーなアーティストのリミックスとなっていますね。
「そうですね。僕は、この頃のトーマス・アンダーソンの曲が全部好きでしたね。ただ、彼のつくる音って、フロアで弱い感じがするんですよ。だから、どの曲にもキック音を足したり、リ・エディットしたりしていたんです。だから、この曲以外にも自分のリ・エディットがあるし、「Washing Up」も、別に頼まれていないのにやったものなんですよ」
――あ、そうなんですか。
「だから、本当にDJツール的ですよね。で、僕がリコンストラクトしたこのヴァージョンの存在をSOUTHERN FRIEDのA&Rが知って、入れたいと言ってきたんですよ。ノーマンも「Washing Up」は好きだったんでしょう。一番有名なヴァージョンは、ティガがやったやつだと思いますけど」
――アレックス・ゴファーの「Aurora (Shinichi Osawa Remix)」はいかがでしたか?
「アレックス・ゴファーは、昔は結構ジャジーでユルい4つ打ちをやっていたりして、経歴は僕と遠からず、なんですよ。年齢も近いんで、話も結構合ったりするんです。で、一緒にDJをやったときに、スワップで何かやろうという話になったので、僕は「Aurora」のリミックスをやって、彼には「Push」のリミックスをやってもらったんです。で、この曲は歌が入ってなかったので、もともとのフレーズをとっちゃうとリミックスじゃなくなっちゃうんですよ。だから、そのフレーズはあえていじらないで、その他をかなり変えることにしました。もとのパーツで使ったのは、ハイハットとシンセを二つくらい(笑)」
――リミックスというよりも、リメイクに近い感じ?
「そうですね」
――ポピュラー・コンピューター「Lost & Found (Shinichi Osawa Remix)」は?
「これはね、「Push」という曲をつくったとき、アパレルメーカーとのコラボでPVもつくったんですけど、そのとき間に入っていたT VISIONSというクリエイター集団から、“ポピュラー・コンピューターという人がやって欲しいって言ってます”って話をもらって、やりましたね。で、ちょうどギンギンなエレクトロに疲れていたことと、原曲に言葉がなかったこともあって、ちょっと僕にしては珍しく、テーマを変えずにやり直しました。この曲では、アコースティックな要素が強いですね。ギターも弾き直しました」
――リスニングの要素が強い、訴えかけてくるものがあるリミックスですよね。
「ええ。エモいですね(笑)。もともとの僕の分野に近い感じかな」
――ルビーズの「Stand In A Line (Shinichi Osawa Remix)」も、「Lost & Found」と似たテイストをもった曲ですね。
「『The One』に参加してもらったつながりでやったんですけど、このリミックスにはボッサ・ヴァージョンもあるんですよ。原曲はすごく明るいんですけど、変わっちゃいましたね。僕は、もともとコード・ワークが好きなんでね」


