ーーなるほど。曲づくりでは、どんな物事からインスピレーションを得ることが多かったんですか?
「自叙伝のように、自分のことを完全にさらけ出すってわけでもないんだけど、自分がこれまでに経験してきた様々なことを小さなストーリーにして、作品に取り込んでいったよ。まぁ、ソングライターの間では、別に珍しい方法でも何でもないだろうけど。例えるなら、ショートストーリーを書いて、自分の人生に関わった人が曲の中に現れては消えていく...って感じさ」
ーーサウンドメイキング面で、特に重要視したことは何でしたか? エレクトロ~シンセ・ポップのテイストを全面に打ち出しながらも、よりメロディアスで空間的な音世界を感じさせるものになっていますね。
「もちろん、“エレクトロニック”なレコードをつくろうとは思ってたよ。でも、僕としては、その中にトランスとか、ユーロ・ポップっぽいサウンドは含まれていないんだ。そういうタイプの音楽はつくれない。エレクトロニックな作品は本当に好きだけど、僕にとってより重要な要素というのは、古典的なソングライティング、古典的なポップ・ミュージックだからね。実際、個人的に音楽を聴く時は、シンガー・ソングライター系の作品が多いし。だから、僕がシンセ~エレクトロニック・ミュージックを好きな理由は、ビッグなクラブ・サウンドというものとは違うところにあるんだ」
ーーあなた達が思い描く理想のポップ・ミュージックを具現化するために、エレクトロニックなサウンドを必要としている、ということですね。本作には、中心的なプロデューサーとしてリアム・ハウ(Liam Howe/元Sneaker Pimps)が参加していますが、彼との制作作業はいかがでしたか?
「リアム・ハウとの作業は、このアルバムの制作プロセスの中でも、ハイライトだったと思う。友達から紹介してもらったんだけど、プロデューサーとカチッとかみ合った感じで作業をした経験って、これまでなかったんだ。その結果、すごく新しい音世界が広がったと思うよ」
ーー「The Ruins」には、スタースミス(Starsmith)がプロデューサーとして参加していますが、彼とコラボレートはいかがでしたか?
「彼とは、以前NEON GOLDで一緒に仕事をしたことがあってね。で、最初はネットでアイディアをやり取りしていたんだけど、僕がイギリスに行ったときに顔を合わせて、2曲くらい一緒に曲をつくったんだ。彼と一緒に作業するのは、クールだったよ。彼は、すごく若くて、すごく作業も速くて、僕らと同じ言語を話すんだ!(←これ、アメリカン・ジョークです、おそらく)」
ーー本作のリード・トラック「Can't Help It」は、どのようにして誕生した曲ですか?
「「Can't Help It」は、僕にとってすごく多くの意味を持った曲だね。この曲をレコーディングしている時は、本当に多くのことを学んだよ。自分の人生の中ずっと感じていた、ある特別な感情について歌った曲なんだけど、自分が望んだ通りの言葉を書き出すことができた。すごく抽象的な思いを書き表すことができたあの感覚は、本当に素晴らしかったね。想像していたよりも、すごく大変な作業だったよ」
ーー8月には、サマーソニックで来日しますね。どんなパフォーマンスを行う予定ですか?
「日本に行けることにすごくワクワクしてるんだけど、騒々しくてエネルギーに満ちた、すごく楽しいライブになるだろう。まるでロック・バンドみたいなライブになるんじゃないかな。ライブの時、僕らは何か特別な方法にとらわれるってことがないし、できる限りワイルドにプレイする。それが、僕らにとって一番楽しいライブのやり方さ。それがクラウドにとっても一番楽しめるライブならいいな、って思ってるよ」
ーー最後に、イエス・ジャイアンテスの今後の活動目標を教えてください。
「今は、ただ音楽を演奏できるだけですごく楽しいね。たくさんの人が僕らの聴いて楽しんでくれれば、それだけで目標は達成できたって思っているよ。僕らがライブをできることなんて絶対ないだろうなって思っていたから、今は毎日ライブをやるたびに新しい感覚を覚えるんだ。本当に最高さ! で、具体的な話としては、これから数ヶ月に何作かシングルを出していきたいね。シングルとして、数ヶ月に数曲ずつ出していくのが楽しいかな。実際『サイレン』は、そういう考え方で曲をつくっていったものだったりするんだ」


