ロックを更新しつづける、イースト・ロンドンの異端児たち(2) fromLOUD146号(FEBRUARY 2007)
新しいロックを開発
―前作から約一年半ぶりのセカンド・アルバムとなりました。『サイレント・
アラーム』と比べて、よりメッセージ性が強くなり、サウンドが明確にスケー
ル・アップしましたね。
ケリー・オケレケ(以下KO)「『サイレント・アラーム』よりも良い作品がで
きて、すごくポジティヴな気持ちだよ。歌詞の部分でも、リスナーと直接的な
コミュニケーションを取るという意味で、一歩先に進むことができた」
マット・トン(MT)「僕たちはこのアルバムで、やり遂げたかったことをすべ
てやり遂げることができたんだ。レコーディングも演奏も、技術的に向上した
作品になったと思うよ」
―前作で時おり見せていた、壮大でオーケストラルなサウンドが、今作では前
面に打ち出されている印象を受けました。
KO「そうだね、『サイレント・アラーム』にもスケールの大きなパートはいく
つかあって、その部分が多くの人にとって共鳴できるアンセムのようになって
いた。多くのリスナーから共感を得るには、スタジアム・ロックのような音楽
でなければ無理だという人もいるけど、僕たちは繊細な音が凝縮された音楽で
もリスナーの共感を得ることは可能だと思っている。今作で、そのことが証明
できると思うよ」
―そういったサウンドを突き詰めるために、取り入れたアイデアや技術を教え
てください。
MT「意識的に、エレクトロニックなサウンドを取り入れたよ。エレクトロニッ
ク・サウンドがチープにならないよう、しっかり追求したかったから、変化を
持たせるために少し取り入れるだけじゃダメだったのさ。そこで、プロデュー
サーにジャックナイフ・リーを起用したんだ。彼はロックとエレクトロニック
なダンスミュージックの両方に精通しているからね。彼の助けによって、目指
していた“ロックとダンスの融合”が巧く表現できたよ」
―サウンドの変化に伴って、ストーリー性の強いメロディアスな楽曲が増えま
したね。メロディーやヴォーカル・ラインを聴かせるという意識はありました
か?
KO「僕個人としては、メロディーよりも歌詞を意識したね。僕もそうなんだけ
ど、曲を聴いていて、歌詞を聴き流してしまうことがあるだろ?
でも、座っ
てじっくり歌詞を読んでみると、改めて感じ取れるものがたくさんあったりす
る。だから今作では、リスナーたちに座って読んでもらえるような歌詞を意識
して書いたんだ」
―たしかに歌詞のテーマは深いですね。そのことについては、後でじっくり聞
かせてください(笑)。
KO「オーケー」
―エレクトロニックに進化したサウンドの中でも、あなたたちの得意とする鋭
角的なポスト・パンク・グルーヴは失われていません。そこには、ブロック・
パーティーのロックに対する想いが込められているのでしょうか?
KO「(笑いながらマットを叩く)」
MT「言いたいことは分るよ(笑)。今作ではエレクトロニックなダンス・
ミュージックの要素を取り入れているものの、ブロック・パーティーはまだま
だロック・バンドなんだ。ロックは物事をもっとも力強く表現する音楽形態だ
し、人に訴えかける力で言えば、ロックに勝るものはないんだ」
KO「僕たちは、ロックに本来ある強烈な力強さが大好きなんだ。生で楽器を演
奏しているバンドと、リズム・マシンを使っているバンドは比較にならないだ
ろ? みんなもマットが裸でドラムを叩いている姿を見たいだろ(笑)?」
―そうですね(笑)。
KO「一方で僕たちには、ロックを既存のものから新しいものに更新していかな
ければならないっていう気持ちがある。その、新しいロックを開発しようとい
う気持ちから、今作は生まれたんだ」


