BOOM BOOM SATELLITES

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BOOM BOOM SATELLITES インタビュー/LOUD138号

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ロック&レイヴ・アティテュードを体現する孤高のバンド


BOOM BOOM SATELLITES  '97年にデビューして以来、エレクトロニック・サウンドとロック・フィーリングを融合させたサウンドで、独自のフィールドを歩んできたユニット、ブンブンサテライツ。彼らが昨年リリースした前作『FULL OF ELEVATING PLEASURES』に続く、通算5枚目のオリジナル・アルバム『ON』をリリースした。
 今作は、既にテレビCM楽曲として流れている「Kick It Out」や「Pill」に代表される、ブンブンサテライツ流のワイルドな“ロック”サウンドが堪能できる内容だ。新境地を開拓した『FULL OF ELEVATING PLEASURES』のアイディアをさらに押し進めた、アップリフティッグかつダンサブルな作品と言ってもよいだろう。緻密なスタジオ・ワークも健在で、パワフルさの陰には、過去に彼らが得意としていたディープかつメランコリックな音響も確認できる。
 他のロック・バンドとは一線を画す意欲作『ON』について、川島道行(G/Vo)と中野雅之(B/Program)に話をきいた。

巻き込んでいく、語りかける、包み込んでいくという、外に向かう姿勢があると思います。(Michiyuki Kawashima)
ロック・バンドが演奏している前で、数千人が踊り狂っているようなイメージですね。(Masayuki Nakano)

―前作は昨年3月のリリースですから、比較的短いインターバルでの新作発表ですね。いつごろ制作に入ったんですか?
「前のアルバムのツアーが終わってすぐですね。最初は勘をつかむために、バンドでセッションのようなものをやりました。「Kick It Out」が一番最初にできたんですけど、この曲は、もう昨年夏のフェスティバル用セットリストに入っていました。レコーディングに集中したのは、フェスティバル・シーズンが終わってからです」
―今作を『ON』というタイトルにした理由は?
「“説明くさくないもの”ということが念頭にあったんです。で、もっと記号的なものがいいんじゃないかって話になったとき、これが出てきたんです。見たり聞いたりした人が、いろいろな捉え方にできると思うので、そういう点でも良いタイトルだと思いました」
―前作からロック的、バンド的な要素がアップしてきていますが、これはどういう意図なんでしょう?
「少し前からライヴではアップリフティングなセットを組んでいて、手応えもあったから、徐々にこちらから(ロック的、バンド的な方向へ)歩み寄っていったんだと思います。彫刻のような芸術品を例えに出すと、柵の向こうから離れて見るすごいものよりも、実際に手に取って触れる良いものへ、という変化ですね。バンドの存在の仕方も、そこで自分たちなりに掴めてきました。今は、ライヴにも作品にも、巻き込んでいく、語りかける、包み込んでいくという、外に向かう姿勢があると思います」
―作詞面に関して、変化したことがあったら教えてください。
「前のアルバムでは、トラックを持ち帰って歌詞のアイディアを出していたんですけど、今回はしませんでした。ベースのリフやドラムなどがある程度ループされている中で、ワン・フレーズが決まったらその場で歌詞を固定してしまって、一日、二日の間にヒラ歌部分を書き上げました。そんなに考える暇がなかったんですが、それが良かったと思います。僕の歌詞づくりは、ちょっとヒップホップっぽいんですよ。まず、いろいろなコピーというか“種”をいっぱい出して、頭の中に入れます。で、音が出たときに適当に歌うんです。そのときにどの“種”が出てくるかは、ドラムやベースの雰囲気やフレーズに引っ張られることが多いですね」
―では、「Kick It Out」はどのようなイメージなんでしょうか?
「これは、もう、破壊衝動にかられているイメージでしかないですね。衝動だけです。ロックができる、暴れてもいい、デカい音、カタルシス、いろんなキーワードをひっくるめて大きい声で叫ぶと、こうなるんですよ(笑)。このときは、テレビにイライラしていた時期でもあったから、そういうことも反映していると思います。今回最初につくった曲だから、彼(MASAYUKI NAKANO)もディレクションを出してきたし、僕も思い入れがあったので、制作では一番苦労しました」
―新作ではロック的なモードが、より明確になったと感じました。そこで表現したかったイメージやテーマがあったら教えてください。
「ダンサブルであること、ロックであること、それが高いレベルで表現されていること、それが一番大事にしていたことですね。ダンサブルでロック、と(言葉で)言ってしまうと簡単ですけど、僕たちはどちらも精神的なレベルで捉えているんです。ジャンルを掛け合わせてつくる音楽ではないから、精神性の部分で、一つの音楽としてアウトプットされるということが重要なんですよ。そういう意味でも、ストレートなアルバムをつくりたいと思いました」
―デビュー当初からダンサブルかつロックという一面があったと思いますが、それがよりストレートに表現されるようになったのはなぜですか?
「ライヴを受けて、ということはありますね。最近は、会場が大きいフェスティバルのオーディエンスと関係を持っていますが、それはレイヴ的なものなんです。前々作までは、わりと内向的で、リズムが複雑で、それほどダンサブルではなかったから、音源をリアレンジしてレイヴ的にしていました。でも(リアレンジが)良い形でできて、それをアルバムとしてもパッケージングできる可能性が出てきたから、今作ではレイヴ的なものをそのままアルバムに持ち込んだってことなんです」
―ロックでレイヴ?
「ロック・バンドが演奏している前で、数千人が踊り狂っているようなイメージですね。で、“バンド”ということを連想させるものはライヴ・インストゥルメンツだから、生のドラム、生のギターをいかにリアルにするかということ、そしてそれをかっこよく録音する過程を大事にしました。僕らの音楽は、プログラミングでつくられている音楽だって思われがちなんですけど、基本的な作曲、基本的な録音で八割がたできてしまうんですよ。つまり、普通のロック・バンドと一緒なんです」
―作業方法自体が変化したということはありますか?
「以前は全てサンプラーでつくっていましたから、サンプラーをどう使うかにクリエイティビティがかかっていましたし、そこに命をかけていました。あの頃は、楽器といえばサンプラーでした。今はベース、ギター、ドラムが、僕らがファースト・タッチする楽器で、そこから音楽をつくっています。ネタのレコードでも、ターンテーブルでも、シンセサイザーでもないんですよ」
―スタジオでレコーディングとしているときと、ライヴをしているとき、どちらが楽しいですか?
「醍醐味が全然違うから、どっちも好きですよ。ライヴで演奏すると、すごい時間をかけてつくった曲がリアルタイムであっという間になくなってしまう。その刹那的な感じが好きですね。でも人の心には残るから、なんとも言えない気持ちの良さなんです」

text FUMINORI TANIUE
interview w/MICHIYUKI KAWASHIMA
interview w/MASAYUKI NAKANO