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HARD-Fi インタビュー/LOUD130号

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Stars Of CCTV
(JPN) WARNER / WPCR-12168
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ロンドンのストリートから沸き立つ
タフでラウドなダブ・ディスコ・ロック


 彼らこそUKロック・バンド新人組最後の大器!とでも言えそうなオーラをビンビンに放っているのが、ハード・ファイだ。実際このインタビューでの発言、そして10月12日にいよいよ日本でリリースされる『スターズ・オブ・CCTV』をきけば、彼らの強力な上昇志向と不良っぽいサウンドが渾然一体となって襲いかかってくるに違いない。
 ハード・ファイは、リチャード・アーチャー(Vo/Gu)を中心にスティーヴ・ケンプ(Dr) 、ロス・フィリップス(Gu) 、カイ・スティーヴンス(Ba) の四名で結成された、ロンドンを拠点に活動するバンドだ。バンド名の由来は、リー・ペリーが自身のブラック・アーク・スタジオの音を表現した際の言葉に因んでいる。ほぼそのまま本作の骨格となった自費制作のミニ・アルバムを昨年リリースするや、即メジャー契約を獲得。「Cash Machine」「Tied Up Too Tight」、全英初登場9位を記録した「Hard To Beat」など、シングル曲はどれもオリジナリティ溢れる内容ばかりで、イギリスのメディアもこぞって賛辞を送る注目の存在だ。
 彼らの音楽は、まるでロック、レゲエ、スカ、ディスコ、ハウス、ヒップホップを同時に鳴らしたような代物。特にディスコとスカをパンキッシュに合体させた上にダビーなミックスを施してできるワイルドなノリは、しばしば“ディスカ”と形容され、新ジャンルにまでなっている。ワーキング・クラス的な心情を代弁した歌詞の内容も相まって、これまでの新人バンドとは異なるストリート感を醸成することにも成功している。
 シーンのアウトサイダー、ハード・ファイ。バンドの中心人物であるリチャード・アーチャーに話をきいた。なお、11月には東京と大阪での来日公演が決定している。


text FUMINORI TANIUE
translation KEIKO YUYAMA
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オレ達はあらゆる音楽から影響を受けてきたから、
自分達がロック・バンドだなんて思っちゃいないんだ。

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―バンド活動を始めた動機、ハード・ファイ結成の経緯を教えてください。
「オレが生まれ育ったヒースロー空港の近くにあるステインズは、本屋も最近やっと一軒できたくらいで、CDショップもライヴ会場もリハ・スタジオも何も無い、ホントに退屈な街なんだ。だから、オレが夢中になれるものは音楽しかなかった。で、13才の頃にピアノとギターを弾き始め、友人達とバンドを始めた。ハード・ファイを結成する前は、ロンドン・レコーズと契約していたコンテンポというバンドで活動しててね。アルバムを制作して、2000年か'01年に発売する予定だったんだけど、当時のイギリスはダンス・ミュージック一色で、“タイミングが良くない”という理由で延期になったんだ。そうこうするうちに、オレ達をピックアップしてくれたウォーレン・クラークがリストラで退社してしまったから、生きがいを失って絶望的な日々を送っていたよ。でも、後にウォーレンがやって来て“君の音楽は素晴らしいから世の中に作品を出せるように頑張ろうぜ。オレは自力でレーベルを設立してメジャーに売り込む”と言ってくれたんだよ。そこからオレは自信を取り戻して、曲を書き、バンド・メンバーを探し始めたんだ。四人が揃ったのは2003年8月のことで、一ヶ月後には最初のギグをマンチェスターで披露していたね」
―最初のギグから、昨年末にメジャー・レーベルと契約するまでは大変でしたか? それとも順調にステップアップできたと感じていますか?
「大変だったね。オレ自身はデビューを夢見てずっと頑張ってきたわけだから、実に長い道のりだった。レーベルは常に資金不足で、ウォーレンは愛車を売ったほどだったよ。費用がなくてマスタリングは自分達でやったし、アートワークもPVも全て自力で制作した。弱気になることもあったな。ところが、不思議なことに非常にいいタイミングでメジャー・デビューの話が舞い込んできたんだ」
―シングルやデビュー・アルバムのチャート・アクションも好調ですし、UKのメディアからも絶賛されていますね。一気にブレイクを果たした感想は?
「ビックリだよ! あんなに狭い部屋で制作したアルバムが、今じゃ店に並び、しかも売れているんだ。現実離れした話に聞こえるね! オンボロのコンピューターを駆使してDIY精神で作った作品が、アルバム、シングル共にトップ10入りしたんだ。メディアからの良い評判を聞く度に、なんとも言えない満足感を覚える。ここまで多くの人達から支持された理由は、普通の人の生活や経験を描いた歌詞に共感して貰えたからだと思うな。オレにはこれまで自分が共感できるような人生観を代弁してくれるアーティストが見当たらなかったから、『他にもオレと同じことを感じている人達が沢山いるはずだ』と考えたのさ」
―ストリート・ライフに根ざした歌が多いですね。
「オレ達が扱う題材は、貧しくて苦しい生活、恋愛と失恋、もっとマシな人生を送りたいのに退屈な街で不満を抱えながら送る生活...人間なら誰もが人生のどこかで必ず直面するような内容ばかりなんだ。人々のために、人々の身に起こることを歌いたいね。そして“他人の助けなんて待たずに、自力で前進しろ!”と伝えたい。何かやりたいことがあったら、自力で掴むべきなんだ。これがオレらのアティテュード。ベストを尽くして自分の手で夢を叶えるのさ。恵まれていない環境下の方が、よりクリエイティヴなアイディアが浮かんでくるもんだよ」
―ハード・ファイの音楽は、ロック、レゲエ、ハウス、ヒップホップなど、様々な音楽的要素をミックスしたサウンドですが、現在のようなサウンドが形成されたのはどうしてなんですか?
「友人達とバーに繰り出して、レコード・デッキをつなげてロック、パンク、ソウル、レゲエ、ハウス、ジャズ...と良い音楽なら何でも聴いていたんだ。例えばニュー・オーダーの「Blue Monday」の後にビヨンセの「Crazy In Love」をかけて、そこからザ・ローリング・ストーンズ、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、リー・ペリーって具合だよ。その結果、こういうサウンドができ上がったんだ。共通して影響を受けてきたのはザ・クラッシュとかザ・スペシャルズ、ストーンズあたりのロック、ダブやレゲエ、フランク・ウィルソン、グロリア・ジョーンズら'60年代のソウル、それにテン・シティーやジョー・スムースといった初期のハウス、RUN D.M.Cやパブリック・エネミーなんかのヒップホップだね」
―エレクトロニック・ミュージックの手法も取り入れていますが、エレクトロニック機材を操ることは自然なことですか?
「オレ達はあらゆる音楽から影響を受けてきたから、自分達がロック・バンドだなんて思っちゃいないんだ。エレクトロニック系の機材を使用したのは、身の周りにある数少ない機材を全て駆使した結果だよ。それにクラフトワーク、ニュー・オーダー、初期のヒューマン・リーグが大好きだったことも理由の一つだね。オレ達はダンス・カルチャーの時代に育ったから、ダンス・ミュージックはハード・ファイの音楽の中で重要な役割を果たしているんだ。ヒップホップにだって音楽制作面での手法として、ハウス・ミュージック同様に学ぶことは沢山あるし、そのアティテュードはパンクの精神に近いものがあると思う。アルバム制作は、揃った楽器や機材の全てを実験的に使用しながら進めていったから、ロックよりヒップホップ的な手法に近かったね」
―アルバム『スターズ・オブ・CCTV』ですが、タイトルの意味を教えてください。
「“CCTV”とは“close circuit television”の略で、イギリスのあらゆる場所に設置されている監視カメラのこと。街角、店、パブ、何処に行ってもオレ達はカメラに監視されている。ストリートを歩けば常に監視されてるわけだから、自分達のことを“CCTVのスター”と呼んだのさ(笑)。ストリートこそがオレ達のステージだ」
―ところで、エミネムを意識しているようですが、どんな点が気になるんですか?
「“良質なポップス”をつくっているからさ。オレ達は“カッコいいポップ・ミュージックをつくりたい”って何のてらいもなく言えるよ。オレにとってストーンズの「Satisfaction」やザ・クラッシュの「Rock The Casbah」は“良いポップ・ミュージック”なんだ。目標は高く、オレ達はエミネムが位置するような頂点を目指したい。人生の厳しい現実とは無縁の生活を送りたいから、成功を手にしたいね。人生は一度っきりしかないんだから

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