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KLAXONS インタビュー/LOUD147号

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注目度無限大! ニュー・レイヴ・ムーブメントの旗手


2007年のロック / エレクトロ・シーンは、彼らなくして語れないことになるだろう。そのバンドは、イギリスのSunday TimesやObserverといった新聞にまで扱われた “ニュー・レイヴ”ムーブメントのパイオニア。アシッド・シンセを導入した騒々しいダンス・ミュージックやスマイル・マーク、蛍光色のファッション、ルミカ・ライトなど、’88年に生まれた、ノスタルジー満載のレイヴ・カルチャーを現代に蘇らせている。
2005年末、ロンドンはニュー・クロスにて、そのバンド=クラクソンズは生まれた。すっとんきょうなファルセット・ヴォイス、攻撃的なシンセ、つっけんどんなビートのケミストリーから生まれるサイファイ・ハードコア・パンクが、彼らの持ち味。メジャー移籍第一弾の「Magick」は、UKチャートの29位を記録するスマッシュ・ヒットとなっている。
 なぜ今、レイヴなのか? そして“ニュー・レイヴ”とは何なのか?! LOUDは、その疑問を解明すべく、デビュー・アルバムの発表を控えたクラクションズの3人に、対面インタビューを試みた。


日常からかけ離れた極楽浄土を、みんなで共有している。

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ジェイミー・レイノルズ(B, 以下J1)「(LOUD151号の表紙を見て)わお! ジャスティス! クールだね」
—ありがとうございます。
J1「僕はパラ・ワン、セバスチャン、サーキンみたいなフレンチ・エレクトロが大好きなんだ」
—お、気が合いますね。
サイモン・テイラー(G, 写真左 以下ST)「ブンブンサテライツ好きだよ。あとOOIOOも。日本のバンドって良いよね、あふりらんぽもよく聴くよ」
—それは意外でした。ジェイミーはNMEのクールリスト(カッコイイ人ランキング)で13位にランクインしたけど、リアム・ギャラガー(12位)に負けたことは納得できますか?
J1「ちょっと一言物申したいね。というのも、彼は僕らにとっては1世代前の人なんだよ(笑)。ちなみにキース・リチャーズよりは上だったよ」
—あはは(笑)。クラクションズのロゴには、フリーメイソンのシンボルが使われているし、着ているTシャツやアートワークにも謎のユニヴァース感がありますね。これはレイヴ・カルチャーからの影響?
ジェイムズ・ライトン(Key, 写真右 以下J2)「そうだね。宇宙を彷徨っている感じや、CGで描かれた存在しない山、サイボーグのように近未来的なアートワークがみんな大好きなんだ」
—あなたたちは何歳?
J2「僕が23歳で、サイモンが24歳、ジェイミーが26歳だよ」
—じゃあ、レイヴ・カルチャーには、リアル・タイムで触れていないですよね?
J1「うん。でも周りの年上はレイヴ・パーティーに行っていたし、街の店に行くとパーティーのミックス・テープが置いてあったから、それをみんなで聴いていたんだ。素晴らしいアートワークのフライヤーを手に入れることにもハマってたね」
—当時、特にかっこいいと思っていたアートワークはありますか?
J1「Sternsだね。有名なデザインのパロディーを色々つくっていたよ。例えば、コカ・コーラの“Coca Cola”と入っているところに、“Sterns”と入れたりしてた。そういうスタンスが大好きだったな。でも彼らは、僕が夢中になった少し後に、反グローバリズムとつながったせいで、オシャレじゃなくなっちゃったんだ」
—クラクションズのイメージも、レイヴ・フライヤーのようにカラフルですね。
ST「意図的にカラフルな色を使っているんだ。退屈とは対照的なエネルギーを、音楽と同じように、視覚的にも表現したいから」
—なるほど。ところで、ジェイムズが着ているスマイリーTシャツは、どこのもの?
J2「これはKsubiっていうオーストラリアのブランドだよ。昔はTsubiっていう名前だったんだけど、最近Ksubiになったんだ。レディースのスリム・ジーンズで有名だよ」
—オシャレさん! あなたたちがよく使っている“万物を通す目(フリーメイソンのシンボル)”には、どんな意味があるんですか?
ST「これは“地位の高い所からすべてを支配している”という意味の、エリートのためのシンボルだと思うんだけど…」
—ということは、自分達がエリートっていうこと?
一同「違う違う(笑)!!」
ST「これを使ったら面白いと思っただけさ」
—そのアイデアは誰が出したんですか?
J2「自分たちのロゴを探しているとき、いろいろな人にデザインを頼んでみたんだ。でもどれもピンとこなくってさ。で、ある日サイモンがなんとなくこの絵を書いていて、“これでいいじゃん!”ってことになったんだ」
—肝心のニュー・レイヴについて聞いてもいいですか(笑)?
J2「何でも聞いてよ。ビッグ・シーンさ(笑)」
—その言葉は、あなたたちが生み出したって聞いていますが。
J1「僕が言い出したんだ」
—その言葉は、どこから生まれてきたんですか?
J1「今、イギリスの若い子たちは楽しむことに夢中なんだ。しょっちゅうパーティーを開いては、一晩中音楽をかけている、僕らのような音楽をね。その現象は昔のレイヴ・カルチャーにも似ていて、現代では新たなシーンだったから、最近まで流行っていたNew WaveのWをRにもじって、冗談まじりにNew Raveと言ってみたんだよ」
—冗談が、ビッグ・ムーブメントになりかかっているんですね(笑)。レイヴ・カルチャーのどんなところに魅力を感じているんですか?
ST「ドラムン・ベースで味わう高揚感や、みんなが一つになるような感覚が大好きなんだ。僕らはその感覚を、ギター・ポップに取り入れようとしているのさ」
—昔のレイヴ・ミュージックは、シンセや打ち込みでつくるものだったけど、ドラムやギターでそれをつくろうと思ったのはなぜですか?
ST「僕は人間らしさを大事にしたいから、電子楽器があまり好きじゃないんだ。だから機械でつくっていた音楽を、人間が再現できるか挑戦してみたのさ」
J2「あと、生のドラムがないと低音が小さいよね。例えばホット・チップは5人もいるのに、全員機械を使うから、僕には物足りなく聞こえる」
—あなたたちがイギリスのバンド・シーンに登場したとき、クラウドはどんな反応でしたか?
J1「アークティック・モンキーズやザ・レイクスの前座もやったけど、反応は良かったよ」
—アークティック・モンキーズはオーソドックスなロック・バンドだけど、彼らのような音楽についてはどう思っていますか?
J2「当然ジャンルは違うと思っているよ。けど、アークティック・モンキーズのライブを見ると、2000人以上のオーディエンスが彼らの歌を一緒に口ずさんで盛り上がっている。そこでは確かに何かが起きているワケで、無視できないとも思っているよ」
J1「彼らと僕らはオーディエンスとのつながり方が違うんだよね。彼らは現実を描いていて、そこにオーディエンスが共感している。僕らの場合は、現実に存在しないところへみんなを誘い出して、一体感を共有しているんだ」
—アトランティスで?
J1「そうそう(笑)。日常からかけ離れた極楽浄土を、みんなで共有しているのさ」


Interview & text TAKAHIRO KAWAMURA