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POLYSICS インタビュー/LOUD147号

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史上最高峰の演奏力がつくる、現在進行形超絶ニューウェイヴ・ワールド


 ハヤシヒロユキが中心となって高校時代の1997年に結成して以来、コンスタントに作品リリースとライヴ・ツアーを重ね、今年でデビュー10周年の節目を迎えることとなったPOLYSICS。2004年に現在のメンバー、ハヤシヒロユキ(Gu/Vo/Programming/Vocoder)、カヨ(Synth/Gu/Vo/Vocorder)、フミ(Ba/Vo/Synth)、ヤノマサシ(Dr/Vo)となってからは、ワールド・ツアーも頻繁に行い、名実共に実力派人気バンドへと成長している。
 そんな彼らが、三枚の先行シングル「Electric Surfin' Go Go」「You-You-You」「Catch On Everywhere」を経て、最新アルバム『KARATE HOUSE』をリリースした。彼らのズバぬけた演奏力を実感できる本作は、バンドとしての一体感を最大限に引き出すべく制作されたという。キャッチー&テクニカルな楽曲群には、膨大なライブ活動によって獲得した、彼らの自信が反映されている。
 LOUDは、相変わらずツアーで多忙をきわめるPOLYSICSのリーダー、ハヤシをメールでキャッチ。『KARATE HOUSE』で実現したことについて答えてもらった。




—前作『Now is the time!』リリース後、長期にわたってツアーやフェスで世界各地をまわっていましたね。各国での手応えはいかがでしたか? ツアーで感じたこと・考えたことを教えてください。
「日本を含め、どこの国もムード良かったよ!今まで地道に世界各地でライブをやり続けてきたことが、ようやく実を結んできたと思う。ライブと同じく『Now is the time!』も、POLYSICSが今までやってきたことが無駄ではなかったと思える作品になったし、“自分達のセンスが正しかった”と強く思えるようになった」

——先行シングル「You-You-You」には、ロンドンの93ft Eastでのアツいライブを収録したDVDがついていました。海外でのリアクションは、おおむねこの映像のようなテンションだったんでしょうか?
「この時のライブは、今までのロンドンのライブとは全く違う雰囲気だった! それまではクールに落ち着いてPOLYSICSのライブを観ていたオーディエンスが、なぜかこの日はみんな超ハイテンションで、エナジーむき出しになって楽しんでいた。以降のロンドンでのライブには、まるで日本やアメリカの西海岸のように、頭で考えず体で感じて楽しむオーディエンスが増えてきて、毎回すごく盛り上がるようになった!」

——今回は、こうした海外活動を経てのアルバム制作となりましたが、『KARATE HOUSE』で取り組んでみたかったことは何ですか?
「海外ツアーをすることによって一人一人の意識がより高まり、バンド感が強くなった。ツアー中は、ようやく固まってきたその“バンド感”を、次の作品ではもっと固めようと考えていた。それで、今までやったことのなかったセッションで曲づくりをしたところ、なんと5日間で10曲もの新曲ができてしまった。 これには驚いた! それらの曲を、このアルバムにほとんど収録している」

——演奏力の上手さが際立つ楽曲が増えたように感じました。人間ワザとは思えないほどのパートが随所に散りばめられていますね。バンドとして、アレンジやアンサンブルの能力が上がっている点は実感していますか?
「もちろん、とても実感している。メンバー一人一人のスキルアップもあるし、ツアーによって演奏力もついた。あとはメンバー間に生まれた“信頼感”がとても大きい」

——セッションからの曲づくりで特に意識した点は何でしょうか?
「“ちゃんととんがっているか”と、“20年、30年後に聴いてもちゃんと面白いか”」

——音づくりという点に関しては、どんなふうになるよう注意しましたか?
「“いつ聴いてもカッコイイ音”と、“流行り廃りのない音”」

——今回、アルバム全体を通してのテーマやコンセプトはありましたか?
「前作のときは、テーマとして“洋楽ニューウェイヴ”というのがあった。自分が影響を受けたDEVOやギャング・オブ・フォーの音づくりやアイディアをもとに、突如あらわれたニューウェイヴ・リヴァイバルの中で“現代版ニューウェイヴをつくる”、ということをとても意識した。でも今作は、最初はノー・テーマで、曲づくりの段階では実にフラットな状態だった。すると、自然と自分のルーツとなっている“日本のロック、パンク、ニューウェイヴ”の影響が如実に表れた作品となり、そこから『KARATE HOUSE』の世界観が完成された。そこにはルールがなく、“何をしてもPOLYSICS”という強さがあると思う」

——日本のニューウェイヴという点でいえば、今作ではP-MODEL「偉大なる頭脳」をカヴァーしていますね。今回この曲をピックアップすることにした理由を教えてください。
「P-MODELというバンドの実験性や、新しい音楽をつくっていく精神を大変リスペクトしている。実は、昔から何度もトライしていたが難しくてできなかった。が、今ようやくできるようになった。カヴァーしたところ、今回のテーマや世界観に見事にはまり、『KARATE HOUSE』の“裏重要ソング”となった」

——今作の収録曲の中で、ハヤシさんが特に自信を持っている楽曲やパートはありますか?
「個人的には「ハードロックサンダー」でのリッチー・ブラックモアになりきったギターソロ」

——ところで、最近UKではニューウェイヴ・リヴァイバルを通過して、新たにニュー・レイヴ・ムーヴメントが登場しています。ご興味はありますか?
「昔のニューウェイヴを聴いて“新しい!クールだ!”と思って、今のロックにその要素を取り入れていく感覚は、自分に近くてうれしかった。だけど、オリジナリティのあるものが少なく感じてきたこともたしか。彼らには是非『KARATE HOUSE』を聴いてもらいたいね!」

——結成10年目を迎えたPOLYSICSの抱負は“飛躍・集中・エンジョイ”だそうですね。この言葉を選んだ理由は?
「今まで以上に飛躍して、集中して、なおかつエンジョイすれば、きっとバンドにとって良いことが起きる!と言うこと」

——今後の活動予定、そして目標を教えてください。
「アルバム・リリース後はツアー、その後もまた海外にツアーに出る予定。そして、その後また新たなるキラーチューンをつくる。目標は、この自分達のセンスを、もっと沢山の人と共有できるようになること」


text FUMINORI TANIUE