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UNDERWORLD インタビュー/LOUD131号

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エレグラ来日直前インタビューPART 1


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遂に待望の新曲も披露!最新ステージで望む世界最高峰ダンス・アクト


 2003年に自身の活動に一区切りをつけるベスト盤をリリースして以降、沈黙を守っていたアンダーワールド。彼らがいよいよ再始動、今年の<エレクトラグライド>に出演することが決定した。もはや不動の人気を獲得している彼らだが、三回目となる今回のエレグラでの来日では、待望の新曲のお披露目はもちろん、TOMATOと連動した最新のヴィジュアルも提供するという。また、旧知の仲であるダレン・プライスが彼らのステージのサポートをするとのこと。新たなアンダーワールドの姿が確認できる、大注目のステージとなるだろう。
 シーンを震撼させるであろうニュー・プロジェクトも動きだし、大忙しのカール・ハイドに話をきいた。


大勢の人達がクラブ・ミュージックに歌詞をのせて、
ロック・バンドの要素を入れた音楽スタイルを快く受け入れてくれたから、
今日の僕らが存在するんだ。
アンダーワールドのライヴを観に来てくれる人達の前に立つたびに、
驚きと嬉しさで一杯になるよ。


PART 1
ELECTRAGLIDE


―今年のライヴ活動やフェスティバルはどうですか?
「楽しんでるよ!特に十四世紀の要塞からドナウ川を見下ろしながら演奏したセルビアでの<EXIT FESTIVAL>は最高だった。これまで観た中で最も素晴らしいフェスだったから、読者のみんなにも是非お薦めしたいね!(アイルランドの)ダブリンでのライヴも良かったし、東欧ツアーでは初めてブルガリアへ行ったんだ。東欧は十九世紀初期を彷彿とさせる町並みが美しいね。今年のライヴでは新曲を演奏してきたから、今頃ライヴの海賊盤がどこかに出回ってるんじゃないか?(笑)」

―<エレクトラグライド>には2000年、2003年に続き今回で三回目の出演となりますが、どんな印象を持っていますか?
「<エレクトラグライド>だけでなく、1996年に開催された<レインボー2000>を含めて、これまで日本のエレクトロニック・ミュージック系のフェスには沢山出演してきた。日本のオーディエンスは非常にオープン・マインドだし、僕らの実験的な試みを受け入れてくれる姿勢が嬉しいね。何といっても、日本はオーディエンスの一体感が凄い! ステージ前に巨大な人間が存在する感じ(笑)。幕張メッセでの演奏は、アンダーワールドの単独公演を含めて今回で四回目になるけど、僕らの課題は、あの大会場に集まった人達がまるで小さなクラブにでも遊びに来たように感じてもらえるライヴをすることなんだ。日本公演では常に新しいアイディアを取り入れながら、ベストを尽くしているよ」

―ところで1994年、新宿リキッドルームのオープニング・パーティーにドラム・クラブと一緒に来日したときのことは覚えていますか? 実は僕はそのとき観に行ったのですが、あなた達もまだ現在のようなビッグ・ステージのヘッドライナーを務める存在になる前で、思い出すととても懐かしい感じがします。
「アハハハ(笑)。リキッドルームのオープニングで初来日公演を行った時の話だ! 二日間のライヴで、たしか会場のエアコンが故障して、暑くて大変だったこと憶えているよ(爆笑)」

―十年前とはかなりミュージック・シーンも変化しましたよね。そしてアンダーワールドは今では大スターです! ライヴ・パフォーマンスも“アンダーワールド・スタイル”と呼べるようなものが確立していますが、現在のスタイルをつくり上げるのは大変でしたか?
「イギリスの音楽シーンが変革を迎えている時代に登場できて、本当に運が良かったと思う。大勢の人達がクラブ・ミュージックに歌詞をのせてロック・バンドの要素を入れた音楽スタイルを快く受け入れてくれたから、今日の僕らが存在するんだ。アンダーワールドのライヴを観に来てくれる人達の前に立つたびに、驚きと嬉しさで一杯になるよ。だから、ジャンルに関係なく全リスナーの“パーティーしたい!”という欲求を満たすように心がけているんだ。デス・メタル、レゲエ...どんなジャンルであろうと、みんなパーティーしたいのさ。会場にいるオーディエンスと共に生み出す、あの特別なライヴ感は最高だ」

―実際にライヴをやるときに一番大変ことは何でしょう? リックはミキサーから離れられないので、自由に動き回れるのはカールだけですよね。そういった面での苦労はありますか? 新しいステップやパフォーマンスを考えたり...。
「ステージ上で転ばないようにすることかな(笑)。ステージでの動きは全て即興的なもので、ステップを意識したことはないけど...何でも吸収していく子供のように、他のアーティスト達(のライヴ)を観て、自分達の記憶に刷り込まれたことが突然ステージ上で出てくることはある。今回はダレン・プライスもステージに上がるから、リック(・スミス)はより自由に動き回ることができるだろうね。踊るかどうかはわからないけど(笑)」

―今回のアーティスト写真(先月号にて掲載)では、リックがあなたの頭にキスしていますよね。やはり長年活動を共にしていると並々ならぬ“愛”が芽生えるというアピールですか?
「ハハハ(笑)。僕らは共に音楽活動を始めてから、今年の5月で25周年を迎えたんだ。結婚と同じで、もちろんこの25年の間には大変なこともあった。でも今は、二人の間に25年前には想像もしなかったほどの深い友情があるよ!」

―新曲を披露したり、テストする予定はありますか? どんなセットリストを考えているのでしょうか?
「新たに実験的なことを考えているよ。ライヴ時間は約三時間で、新曲も沢山披露する予定だ!」

―今回の<エレクトラグライド>の映像に関しては、何か新しいシークエンスは用意していますか? 最近はライヴ・カメラを導入してリアルタイムの映像を交えているそうですが、TOMATOとのリンクは今回どのような感じになるのでしょうか。
「リックも僕もTOMATOの一員だから、今回もTOMATOが映像面で深く関わってくるわけだけど、映像監督のマーク・ヒューズがライヴ演奏に合わせて即興で映像を製作し、リアルタイムで上映する予定だよ。カメラを筆のように駆使して、スクリーンという大きなキャンバスの上に映像を描く感じだね。それから、TOMATOのジョン・ワーウィッカーが、ライヴ中に流す映像を製作する話も挙がっているよ。ジョンは近々アート・ブックを発売する予定で、これは過去最高の作品になるから楽しみにして欲しいね!」

―今回は無理だとは思うのですが、チルアウト・セットのようなものも一度聴いてみたいです。そのような構想はありませんか?
「そうだね。以前<レインボー2000>では、夜中にハイ・エナジーなセットを披露したけど、夜明けや昼間にもプレイしたいよ。一日三回できたら最高だろうね! 1992年のグラストンベリーでは実験的に18時間プレイしたことがあるけど、あれ以来“またやってみたいね!”ってリックと話しているんだ」


PART 2
NEW PROJECT


―2002年に『ア・ハンドレッド・デイズ・オフ』をリリースしてからオリジナル・ニュー・アルバムのリリースがないのですが、進行はどのくらい進んでいますか?
「待ってもらった甲斐はあると思うよ!」

―近々新作のリリース方法をunderworldlive.comでアナウンスする予定だそうですが、どんな形になりそうですか?
「新作の発表は10月の予定で、おそらく<エレクトラグライド>で来日する前にwww.underworldlive.comで発表するよ。でも、どうしても今詳細を教えることはできないんだ。これはリックと僕が長年温めてきた“アルバム以上”のビッグ・プロジェクトなんだ。クラブ用に12インチも切るし、凄いことになるよ! 素晴らしいチームが一丸となって頑張ってきたお陰で、ついに長年の夢が叶って嬉しい。僕らが望んでいる方法で作品を発表できることを喜ばしく思うね。レコード・レーベルとの仕事は楽しいし、近い将来もレコード・レーベルと再び手を組むことになるだろうけど、今僕らが探求しているのはインディペンデントな方法で、でき上がった楽曲をより早くより簡単にリリースすることなんだ。素材ができ上がってから長く待つ必要はないと思うからね」

―2003年のベスト盤をリリースしたときのインタビューでは、リックとお互いのpower bookを交換しながら作曲を始めているということと、ルーツ・レゲエやダブ、昔よくDJを聴きに遊びにいっていたMILK BARでかかっていたような曲を振り返って聴いたりしていることを教えてくれましたね。ニュー・アルバムのサウンドはどんな感じになりそうですか?
「(新作では)150曲ほど手掛けたから、中にはダブ系の楽曲もある。昔からアンダーワールドにはダブの影響を受けたナンバーがあるけど、他にもエレクトロっぽいもの、クラシック的な雰囲気のもの、ワールド・ミュージック系のサウンドを取り入れたものまで幅広いんだ。最終的には楽曲を発表したときに、聴いた人達が好きかどうかを決めることになると思う」

―現在はアンソニー・ミンゲラ監督でジュード・ロウとジュリエット・ビノシュが主演する映画のサントラを手がけているそうですが、それはどのような曲なんでしょう?
「来年の3月か4月頃に公開される映画『BREAKING AND ENTERING』のスコアを担当していて、サントラも来年には発売されるよ。昔からスコア制作には興味を抱いていたから、楽しみだね! 全て新曲で、アンダーワールドの通常の活動とは違うプロジェクトになるけど、詳細は今後www.underworldlive.comで発表される予定だ。この映画は、アンソニー・ミンゲラがアンダーワールドの楽曲にインスピレーションを受けて脚本を書いた、現代のロンドンを舞台にしたものなんだ。リックがグランド・ピアノを弾いた曲もあるんだよ。全曲アコースティック・ナンバーではないけどね」

―新しいギター、それもクラシカル・ギターを探しているという話をサイトで読んだのですが、それはサントラに関係ありますか?
「スペインの楽器店に行ったときに音色が美しい楽器だと思ったから、フラメンコ・ギターを探していたんだよね。その後、ダブリンでついに素晴らしいフラメンコ・ギターを見つけたんだ。スコアで丁度アコースティックな楽曲を制作していたことも、探していた理由の一つだったね。他にもポルトガルやトルコで、その国特有の楽器を購入したよ。日本でも伝統的な和楽器を手に入れたいね。インスピレーションが沸くような楽器は、是非アンダーワールドの作品に取り入れてみたい。でも、今回のステージでは披露しないよ(笑)。広いステージでアコースティック・ギターを演奏すると、音質があまり良くないから」

―ところで、先日BBCラジオで放送されたあなたの特番を聴いたんですが、何曲かミニマリスティックなクリック・ハウスを紹介していましたね。また、最近アニマル・コレクティヴ、エフター・クラングなど、フォークやレイドバック・サウンドにはまっているそうですが、現在あなたに一番刺激を与えてくれるジャンルやサウンドはどの辺りなんですか?
「アフリカ音楽からポエトリー・リーディング、日本の音楽、デス・メタルまで、全ジャンルから刺激を受けているよ! エフター・クラングには独自の音楽性があるから、是非読者のみんなにも聴いて欲しい。それと、SHIT CATAPULTというレーベルから発売されているものは全て素晴らしいね」

―『ダーティー・ラジオ』というインターネット・ラジオも始めましたね。このプログラムを始めた経緯を教えてください。
「昨年ジョン・ピールの番組を、彼の夏期休暇中の代役で手伝ったのがきっかけなんだ。悲しいことにジョンはその休暇中に他界し、その後リックと僕はwww.dirty.orgのインターネット・ラジオを通して、自分達のスタジオから24時間生放送で番組を届けるようになったんだ。この番組のお陰で数多くの新人アーティスト達と知り合ったよ。彼らは僕らにとって素晴らしいインスピレーションの源だね。歳をとると“若い奴らのことはよくわからん”なんて言うようになる奴らもいるけど、僕らは才能あるアーティスト達を発見できて幸せだよ。多くのアーティスト達が送ってくる新譜の音を聴いたし、中には連絡を取り合うようになったアーティストもいて、本当に良いインスピレーションになっている。退屈なオヤジにならないようにもっと頑張らなきゃって思う」

―最近はリスナーに自分たちのフェイバリット・トラックを紹介することを面白く思っているのですか?
「もちろん! サイトにはチャット・ルームもライヴ・ウェブ・カメラもあって、アンダーワールドの未発売音源をかけることもあれば、僕らが好きな新人アーティストの楽曲をオンエアすることもあるんだ。好きな楽曲を紹介できることは最高だね! www.underworldlive.comでは、1999年以来毎日ウェブ・ダイアリーを書き込んでいるけど、様々なアーティストや画家達にリンクを貼っているよ」

―今後の活動予定、スケジュール、計画などありましたら教えてください。 
「11月上旬にベルギーで開催される<ISLE OF TECHNO>に参加するよ。ベルギーは昔からアンダーワールドを支持してくれていた国で、このテクノ系フェスはとても面白いイベントなんだ。この他にもオランダ、ルクセンブルグで二時間に渡る単独公演も行う予定。そう言えば、世界中のどこへ行っても、必ず日本人のファンと日本人のカメラマンを目にするんだよな(笑)。日本でプレイするのが今から楽しみだよ!」


text FUMINORI TANIUE
translation KEIKO YUYAMA