トモ「MGMTですね。僕もそう思います」
大沢「MGMTは、「Kids」以外の曲もキャッチーで良いし、音楽的にも普通に良い曲が多いと思う」
トモ「持っている空気感も、他のバンドとは違いますよね」
大沢「うん。やっぱり、あんまり“バンドの音”してないからかもしれない。ダサいバンドの音は出してないですよ。ちなみに「Kids」は、ソウルワックスのリミックスがクラブ・アンセムになってますけど、僕はオリジナルの方が好きですね。テンポは遅いけど、オリジナルの方が良いですよ。最近のソウルワックスのリミックスは、音のクオリティーに問題があるんじゃないかな...話がそれましたね。ま、要するにニュー・エキセントリックって、かなり大雑把な切り口なんですね」
トモ「いわゆる...“ヤング・ロック”ですよね(笑)」
大沢「ソレ、いいじゃないですか(笑)。それでいいですよ。もうそれにしましょうよ」
トモ「編集部では、結構昔からヤング・ロックって言ってるんですけどね」
大沢「もしくは、“キッズ・ロック”。ダサいか(笑)」
トモ「ハハハ。そのダサいところがいいんですよ。でも、実際のところキッズ・ロックで間違いないんですけどね」
大沢「うん。キッズが踊りやすい音楽だと思う。昔だったら、完全にニューウェイブなんだと思いますよ。僕的には、フォールズとMGMTがイチオシです。この二組は、やろうとしている音楽のクオリティーが結構高い。特にフォールズからは、新しい音楽を築こうという姿勢が見られますね。確実に'80年代の音楽から影響を受けているとは思うんだけど、'80年代を見直したときに、絶対にみんなが行かない方向を追求していると思う。だから若い子には、フォールズの音が'80年代とどこでどうつながっているのかなんて、分からないと思うんですよ、かなりひも解いていかないと」
トモ「そうでしょうね」
大沢「例えば、今、若い子にトーキング・ヘッズの「Born Under Punches (The Heat Goes On)」を聴かせても、そこからパンクやニューウェイブってキーワードは出てこないと思うんですよ。“アフリカっぽいですよね”とか“フェラ・クティ系ですか”って言葉は出てくるかもしれないけど(笑)。でも、僕にとって、この曲は明らかにニューウェイブなんですよ。だから、そういう文脈で、フォールズのやっていることって面白いと思うんですよ」
トモ「そうかもしれないですね。ということは、トーキング・ヘッズやデヴィッド・バーンは、当時のニュー・エキセントリック系だったんでしょうね」
大沢「そうですって。トーキング・ヘッズなんて、完全に当時のキッズ・ロックですよ(笑)。ベースが女の子だったしね。僕もかなりハマりました。『Remain In Light』('80)、『The Name Of This Band Is Talking Heads』('82)、『Speaking In Tongues』('83)の3枚は、僕の人生を変えたアルバムですね」
トモ「あ、そうなんですか」
大沢「要するに、僕が色々な音楽に入っていった
入り口は、全部ニューウェイブのアルバムだったんです。トーキング・ヘッズを聴いて、本当にディープなアフロものも聴くようになったし、ア・サーテン・レイシオやカリマのようなインチキなジャズ〜ブラジリアン・サウンドを聴いて、本当のそういった音楽に入っていったしね」
トモ「ハハハ」
大沢「で、ジェームス・チャンス&コントーションズを聴いて、ジェームス・ブラウンを聴き出してますからね(笑)」
トモ「なるほど。そういう部分で、フォールズやMGMTがやろうとしていることが分かるんですね」
大沢「うん、分かる。ああ、そこ行っちゃうんだ、センスいいよねって」





