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AUTECHRE インタビュー/LOUD131号

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オウテカの音楽には動的な力が秘められているから、ポジティヴなヴァイブの中で激しく踊れると思う。


ショーン・ブース、ロブ・ブラウンの二人によるオウテカ。およそ15年のキャリアを通じて、WARPのヒストリーそのものを支えてきたといっても過言ではないリビング・レジェンドだ。最新アルバム『Untilted』を引っさげ、先日7年ぶりの来日公演を大好評のうちに終えた彼らが、なんとエレグラで奇跡の再来日! あのビッグ・アリーナが、再び暗闇に染まるのか......? インタビューにはロブが答えてくれた。

―先のアルバム、『Untilted』をめぐる言説も出尽くした頃だと思いますが、最も腑に落ちた意見と、最も納得のいかなかった意見をそれぞれ教えてください。
「これまで同様、賛否両論あったと思う。“まだ聴き慣れないからわからない”という意見もあれば“オウテカらしさを保ちながら全く新しいことに挑戦している”という、まさに僕らの理想を表したような意見もあった。“一度聴いたら終わり”で、繰り返し聴けないような即時的な音楽もあるけど、オウテカのアルバムはその逆であることを嬉しく思う。僕らの音楽は、繰り返し聴くことにより味わい深さを得られるから。永遠に残るような、いい作品をつくり続けたいと思う」
―そのプロモーションも一段落した頃だと思いますが、現在はどんな毎日を送っているのでしょう。
「4月のアルバム発売後、2ヶ月間はUK、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本をツアーし、その後はフェスに出演した。まだいくつかフェス出演が残っているけど、現在は家族や友人たちとの時間を優先させた普通の生活を送ってるよ。ツアーを通して改善すべき点もあったから、新しい機材を取り入れてスタジオでショーンと打ち合わせも進めている。今後はよりタイトなライヴ・セットになると思うよ」
―オウテカのステージは、VJもライティングもあまり導入せず、真っ暗闇の中で行われます。そこにはどんなこだわりがあるのでしょうか?
「VJやライティングも試したことはあるけど、照明担当に任せて上手くいったことが一度もなかった。ライヴ中は自分たちで照明を直接コントロールすることができないから、結果、会場を真っ暗にして演奏するようになったんだ。でも不思議なことに、真っ暗闇のほうがオーディエンスの一体感が生まれる気がする。視覚面での散心を減らし、聴覚を大事にしてもらえる。つまり、音楽を通してより深い感動を与えることができると思うんだ。照明の濫用は音楽をぶち壊す危険性があるんじゃないかな。でも、個人的に動画やグラフィックは大好きだから、今後導入する可能性はあるかもね」
―6月の来日ライヴ中、盛り上がって騒いでいた男の子が、女の子に“静かに!”と注意されていたのを目撃しました。あなたとしては、男の子と女の子、どちらの態度を支持しますか?
「アハハハ(爆笑)。両方の気持ちがわかるから、どの曲でそのやりとりが行われたかにもよるなぁ。参加型オーディエンスはいつでも歓迎だし、自分たちの演奏に対する良い反応が得られるのは嬉しいことだよね。“ちょっと違うな”というような反応が戻ってきた時は“オーディエンスと上手く通じ合えなかったのかな”と思うけど、日本でのライヴではそういうことがない。静かに聴きたい人たちは物理的空間を保つためにバルコニー側で座りながらゆったり聴くのがいいと思うよ。踊りたい人はステージ近くに集まるだろうし(笑)」
―またその時フロアを見渡してみると、目を閉じてじっと陶酔しているクラウドと、ビートに合わせて激しいダンスをするクラウドの2パターンに分かれていました。あなたとしては、どちらの楽しみ方がよりオウテカの音楽を理解できると思いますか?
「“目を閉じながら踊る人”が、より深く理解できるだろうね。オウテカの音楽には動的な力が秘められているから、ポジティヴなヴァイブの中で激しく踊れると思う。僕らはサウンド面に全力を尽くしているから、ダンスを披露したりステージ衣装に凝ったり、ビジュアル面におけるアプローチは皆無なんだ。そういう意味ではガッカリしている観客もいるだろうね(笑)」
―間髪入れずの再来日となる、共演者の中でどのアクトに一番興味がありますか?
「クリス・カニンガムが出演するんだよね! 恐ろしくスゴいアーティストだから楽しみにしているよ。あの創造力と美学は実に素晴らしいと思うし、彼の作品には共感できる。DJは観たことがないから、今から楽しみだね。アンダーワールドは......全く興味ないね(笑)。あの地位まで昇りつめて大衆に向けて演奏するようになると、もはや音楽というより“スポーツ”みたいなものだから。僕が育ったマンチェスターって、子どもの頃から“スポーツ系”と“音楽系”に別れて、僕は音楽を選んだわけだけど、アンダーワールドってあらゆる人たちに向けて発信する“スポーツ系”タイプに見えるんだよな。彼らの音楽より、彼らが与える社会的影響力のほうに注目してるよ。コールドカットはかつて好きだったけど、もはや期待するものがない。カール・コックスも大好きだったけど、最近の作品は全然聴いてないなぁ」
―ライヴでは、どんなプレイを考えていますか?
「オウテカにとって過去最大の会場となるから、一体どんなライヴになるかはわからないな。オーディエンスの動員数にもよるかな。今回の演奏時間は1時間しかないから、あまりたくさんのことは盛り込まないと思うよ」
―セットは『Untilted』からの曲が中心になりそうですか?
「うん、新しい楽曲が中心だね。でもアルバム・ヴァージョンとは全く違うアレンジや、即興を加えながら演奏する予定。アルバムよりメロディアスになると思うけど、違うアレンジを施しても温かくてポジティヴなヴァイブや、強固で激しいビートは保っていくよ」

interview & text AKIHO ISHII translation KEIKO YUYAMA