DERRICK MAY

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DERRICK MAY インタビュー/LOUD113号

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TRANSMAT、本格的に再始動!


デリック・メイが語るレーベル運営の醍醐味。


 デリック・メイが主宰するレーベル、TRANSMAT。1986年に設立されて以来、ダンス・ミュージック・ファンなら知らない人はいないアンセム中のアンセム、リズム・イズ・リズム「Strings Of Life」をはじめ、ジョーイ・ベルトラム「Energy Flash」、マイクロワールド「Signals / Smile」といった数々の名曲を世に送り出した、もっとも信頼できるレーベルのひとつだ。
 同レーベルはレコード会社とのトラブル等が理由で90年代半ばからそのリリース・ペースが落ち込んでいたが、4月に発売されるマイクロワールドのデビュー・アルバム『Microworld』を皮切りに、精力的にリリース・ペースを上げていくようだ。  動き出したTRANSMATの今後の動向は? そして、イチオシの新人マイクロワールドのデビュー作は? レーベルのこれまでを振り返ってもらいつつ、デリック・メイにメール・インタビューを試みた。


レーベルを続けていくことはとても困難なことではあったけれど、
とても価値のあるものだったね。


―レーベルを始めた理由を教えてください。
「最初は女性のために始めたんだ。モテたかったからね(笑)」
―レーベルのロゴ・デザインにはどんな意味が込められているのでしょうか?
「ロゴの真ん中は“T”なんだけど、それはTRANSMATの“T”であると同時に“True(真実)”の象徴でもあるんだ。俺たちはTRANSMATを常に未来へ進む船のようなものだと考えているんだよ」
―あなたにとって、TRANSMATとは?
「TRANSMATは音楽が存在する場所。音楽は真実が存在する場所であるよね。TRANSMATはまた音楽そのものの存在でもあるんだ」
―レーベルをスタートさせてから18年が経ち、もうすぐ20年目に突入しようとしているわけですが、今の気持ちを聞かせてください。
「レーベルを続けていくことはとても困難なことではあったけれど、とても価値のあるものだったね」
―TRANSMATの作品は、最高にエモーショナルなダンス・ミュージックだと思うのですが、レーベル・オーナーとしてのあなたの考える“TRANSMATのダンス・ミュージック”とはどんな音楽なのでしょうか?
「ライフ・ストーリーをテクノで表現したサウンド・トラックという感じかな」
―TRANSMATは、カール・クレイグやケニー・ラーキン、ステイシー・パレンといった才能を輩出しましたよね。彼らが今スターとなり、活躍していることについてレーベル・オーナーであるあなたはどう思っていますか?
「彼らは常に音楽を信じ続けていると思うし、何よりもアーティストであることに誇りをもっている。そういうのって、アーティストとしてより発展するために、とても重要なことだと思うよ」
―また、あなたはこれまでにマイクロワールドをはじめ、アリ・ブラッカ、ジョン・ベルトラン、ステファン・ブラウンといった数多くの注目新人を発掘・育成してきましたよね。こういった“新人を発掘し、その才能を伸ばしてあげること”は、あなたにとってどういうことなのでしょうか?
「才能を伸ばすにはとても忍耐が要るね。“今という時間や未来の背景に何があるかを見据えることが大事だ”と教えたりとか。自分自身を見い出すこともそうだね。“どのように売るか”ではなく、音楽を心で聴くことを理解した上で伸びていって欲しいと思っている」
―ちなみに、今一番気になっている新人アーティストは誰でしょうか?
「ルイス・ハイマン。彼は次のカール・クレイグだと思うよ。TRANSMATから発売されれば、みんな理解できると思う。アルバムは、日本ではシスコ/サウンドスケープから発売予定で、俺たちもとてもエキサイトしているんだ。他にはルチアーノやジョリス・ヴォーン、ヴィンス・ワトソンなど。俺の周りにいるアーティストはみんなすごくいいよ。そうじゃなきゃTRANSMATでは扱わないよ」
―“新人”といえば、マイクロワールドのデビュー・アルバムがリリースされるわけですが、あなたから見たマイクロワールドの魅力ってどんなところですか?
「マイクロワールドはクオリティーを含め、音楽に対するこだわりがすごくあるんだ。“ベストの中のベストでなくては納得ができない”というようにね。そこが彼の魅力だな」
―マイクロワールドのシングル「Signals / Smile」('96)はリリースされた当時、最初のシングルであるにも関わらず大絶賛されたわけですが、やっぱりあなた自身もこの曲はかなりオススメなのでしょうか?
「そうだね。『MUZIK』や『MIXMAG』をはじめとした世界中の音楽雑誌にも“もしこれがデリック・メイの作品だったら「Strings Of Life」的なシングルになっている”と称賛されたけど、俺は「Signals / Smile」はまさに「Strings Of Life」的な作品だと思うよ」
―デビュー作となった今作、『マイクロワールド』についてのあなたの感想を聞かせてください。
「とても感動的だね。彼はこの2年間、ずっと制作し続けていたみたいだからね。でもすでに次の作品が待ち遠しいよ。まだどうなるか分からないけどね」
―ところで、今年の(デトロイト・エレクトロニック・ミュージック・フェスティヴァル)は、5月の29/30/31日に開催されるそうですね。 去年はその豪華な顔ぶれ(ジェフ・ミルズ、フランソワ・ケヴォーキン、アンプ・フィドラーなどが出演)が話題になりましたが、今年はどんな感じになりそうですか? 「もちろん昨年以上に大きく、良く、大胆になるよ」
といえば、“アンダーグラウンド・ステージ”、“ムーヴメント・ステージ”、“ハイ・テック・ソウル・ステージ”、“ミュージック・インスティテュート・ステージ”といったように、コンセプチュアルなステージ名で有名ですが、それぞれのステージのコンセプトを教えてください。
「“ハイ・テック・ソウル・ステージ”はバンドやソウルフル・ハウスのDJ用で、“ミュージック・インスティテュート・ステージ”はデトロイト・テクノやシカゴ、ニューヨークなどのファンキー・ミュージックのステージ。“アンダーグラウンド・ステージ”はエレクトロニック・ミュージックのステージで、“ムーヴメント・ステージ”は多数の観客と共に、音楽とそのエネルギーを充満させるステージなんだ」
―今後近いうちに、あなた自身の作品のリリース予定はありますか?
「そうだね。現実的に考えて、たぶん2006年かな」
―TRANSMATレーベルの今後についてどう考えていますか? また何か具体的なリリース情報等があったら教えてください。
「ルイス・ハイマンのアルバムの他には、インディオやルチアーノ、ジョリス・ヴォーン、ヴィンス・ワトソンの12インチなども予定している。そしてもちろんマイクロワールドやサンズ・ソレイル、ダブル・へリックスのリリースもね」
<マイクロワールドのデビュー・アルバム『Microworld』の紹介> インタビューに登場した注目の新人、マイクロワールドがついにデビュー・アルバム『Microworld』をリリースします。TRANSMATのオリジナル・アルバムとしては'01年のアリ・ブラッカ『Deeparture In Time』以来、約3年振りのものなので、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。もちろんそのクオリティーは、デリック・メイのお墨つきだけにバッチリ。スムースかつ躍動的なサウンドスケープが見事に描かれています。'02年にリリースされた、同レーベルのコンピレーション・アルバム『Time: Space_2』にも収録された「DB」などキャッチーな曲も収録されているので、コアなデトロイト・テクノ・ファンだけでなく、新しいリスナーにもオススメです。


MICROWORLD
Microworld
(JPN) CATALOG / CATCD004