RICHIE HAWTIN インタビュー/LOUD133号
RICHIE HAWTIN
最新技術を駆使したサラウンドDJ MIX DVD
エレクトロニック・ミュージックは、何かを再現するための手法じゃなく、
新しい空間・アイディア・サウンドを創造するもの、未来への挑戦のツールなんだよ。
リッチー・ホウティンが、ミックスCDの限界に挑戦する『DE9』シリーズの3作目、『DE9 :TRANSITIONS』をリリースした。今回は、なんとメディアにDVDを採用。96分もの長尺でサラウンドDJ MIXを聴かせる問題作となっている。現在はベルリンに住んでいるということで、電話取材を敢行してみた。
「ベルリンには素晴らしいクラブ・シーンがあり、Ableton、Native Instrmentsみたいなテクノロジーの会社もあるんだ。ルシアーノ、スティーヴ・バグとか友達も多いし、制作活動に集中するのに最高の場所だよ」
と、ベルリンへ移住して以降の好調さをアピールするリッチー。『DE9』については、こう語る。
「このプロジェクトは数年ごとに“未来のDJとは?”という問いに自分で答えるために、取り組むものなんだ。ここ数年は、テクノロジーも、リリースされる曲の面白さも熟してきたし、8時間とかのロングセットをやる機会も増えたから、古い曲新しい曲とり混ぜて、3作目を出すのにベストな時期だと思ったんだ」
とは言っても、いきなりDVDでサラウンドというのは、結構な冒険だったはず。
「実はプラスティックマンの前作もサラウンドでやろうとして、諦めていたんだ。当時はまだ早すぎたから。つまり興味はずっと前からあって、今回再度リサーチして、ツールも環境も整ったと感じられたから決心したんだ。エレクトロニック・ミュージックは、何かを再現するための手法じゃなく、新しい空間、アイディア、サウンドを創造するもの、未来への挑戦のツールだから、サラウンドとの相性は抜群だね。伝統的な音楽では思いもつかない使い方に挑戦できる。アナログのDJがすぐなくなるとは思わないし、自分もクラブでは使うけど、もうそれでは興奮できないな。自分が楽しむためにも新しい刺激が必要なんだ」
実際の選曲は、サラウンドで行こうと決める前にスタート、様々な可能性を考えて550曲もライセンス許可を取ったそうだ。
「前作は細切れにした曲のパーツで別の曲を作るという感じだったけど、今回はもっと長く曲を使ってる。そしてひとつのパートにたくさんのレイヤーがある。これは、サラウンド版を先に作ったから、そうなったんだ」
日本ツアーを終えたばかりのリッチーだが、今後はM_NUSの2枚目となるコンピなど数枚のアルバムをリリース、サブレーベルもスタートし、ツアーも行うという。『CONCEPT』シリーズの10周年を記念して、サラウンドの再編集盤も考えているそうだ。どうやら2006年も、リッチーからは目が離せなくなりそうだ。
RICHIE HAWTIN
DE9 : Transitions
(JPN) THIRD-EAR / XEBD-1046 (DVD)


