RICHIE HAWTIN

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PROFILE| RICHIE HAWTINプロフィール

RICHIE HAWTIN(リッチー・ホウティン)

 1970年にイギリスで生まれ、その後カナダのウィンザーで育ち、現在はベルリンを拠点に活動する、DJ/プロデューサー。プラスティックマン、F.U.S.E、サーキット・ブレイカー、ダニエル・ベルとのサイバーソニックなど数多くの名義を使い分け、'90年代初期よりデトロイト・テクノの第二期を担う存在として活躍してきた。1990年にはジョン・アクアヴィーヴァとともにレーベル、PLUS 8を設立。プラスティックマンやF.U.S.E名義で、エッジーなミニマル・テクノを次々とリリースしてきた。
 リッチー・ホウティンはまたDJにおいても、常に時代の最先端を行くテクノロジーを取り入れながら、実験的なミックス手法を提示してきた。同時にミニマリズムの哲学に貫かれたサウンドで唯一無二の世界観を表現。そのセンスをうかがい知れるミックスCDが、1999年にリリースされた『Decks, EFX & 909』だ。TR-909ドラム・マシンやエフェクターを駆使したこの作品には、リッチー・ホウティンの代表曲の一つである「Minus Orange」('99)が収録されている。さらにトラックをループ単位に分解し、コラージュするかのようにつなぎ合わせた2001年の『DE9: Closer To The Edit』では、DJミックスの手法に新たな定義を加えた。2005年には、のべ180曲以上のトラックを素材として使用したミックスCD+DVD、『DE9 : Transitions』をリリース。5.1chサラウンドを採用したDVDは、DJミックス音源と映像を同期させた、使用している楽曲がどのスピーカーから鳴っているかを視覚的に表現した作品として、話題を呼んだ。
 そんなリッチー・ホウティンのメイン・プロジェクトが、プラスティックマンだ。その代表曲である、ドラム・ロールが複層的に重ねられたアシッド・テクノの名盤「Spastik」('93)は、現在も多くのDJに支持されている。しかし1998年に発表した『Consumed』や2003年の『Closer』では、それまでのフロア・オリエンテッドなハード・テクノから一転、アブストラクトなダウンビート・トラックを生み出し、多様な表現でミニマリズムと実験性を追求してみせた。
 そして1998年には新たなレーベル、MINUSを設立。これまでに数々のヒット・トラックをリリースし、マシュー・ジョンソンやマグダ、トロイ・ピアースといった気鋭アーティストを輩出している。そんなMINUSの軌跡は『Minimize To Maximize』('05)や『min 2 MAX』('06)、『EXPANSION / contraction』('07)といったコンピレーションでたどることができる。2007年にリリースされた、レーベル設立10周年を記念した日本独自企画盤の2枚組コンピレーション『Nothing Much』は、MINUSの歴代ヒット・トラックを収録した、レーベルの活動を総括する、ベスト盤的内容となっている。
 2006年にイタリアのトリノで開催されたオリンピック冬期競技大会では、開会式のテーマ曲を作曲するなど、クラブ・シーンにとどまらない活躍を見せているリッチー・ホウティン。彼はDJテクノロジーの進歩にも大きく貢献し、プロデューサーやDJ、レーベル・オーナーとしても多面的な才能を発揮している。どの活動においても常に挑戦と進化を繰り返す彼は、今後もエレクトロニック・ミュージック・シーンをけん引する、最重要人物の一人と言える。
(Hiroko Torimura)